こんにちは。鉄人blogに訪れていただきありがとうございます。7月3日(月)から行われている第101回毎日テニス選手権(ベテランの部)で杉村太蔵さんの試合がYouTubeで生配信されました。おそらくベテランテニス界において、ライブで試合が放送されることは前代未聞のこと(もちろんいい意味です)で杉村さんの影響力や注目度が示されました。
結果はファイナルセットで惜しくも敗退されましたが、短い準備期間でここまで仕上げてこられた熱意、元々の能力、スキルの高さに感服しました。対戦相手の安田選手も私の高校の後輩で、個人的にも注目していましたが、両者ともに全力を出し切った素晴らしい試合でした。
杉村さんにおいては、今後も是非ベテラン大会に出場していただき、ベテランテニス界を盛り上げていってほしいと願っています。そして、願わくば一度対戦してみたいですね。さて、今回は私が普段から大切にしている「トリガーフレーズ」についてお話しします。
「トリガーフレーズ」とは、自ら動き出すきっかけとなり、自分にスイッチを入れる言葉、自分の信念としている言葉と理解していただいて結構かと思います。これは、テニスが強くなるための大切な言葉であると同時に、自分自身成長させてくれている言葉とも言い換えられると思います。その中で、特に自分が大切にしている「フレーズ」を5つ紹介します。
1 食べることも練習
2 1回1回の練習が真剣勝負
3 積み重ねる
4 自分と向き合う
5 今この瞬間を全力で生きる
1 食べることも練習
私が40歳から本格的にテニスを再開し、年齢別の日本のトップ選手になれた大きな要因として、同年代の選手と比べて圧倒的に状態のいい若い体にあると考えています。この体を作るためには、練習やトレーニングももちろん必要ですが、それ以上に大切なことは普段の健康的な食生活であることは言うまでもありません。
昔の私は唐揚げやとんかつなどの揚げ物やハンバーグや焼き肉などの高脂質の肉、そして白米が大好物でした。また、テニスを本格的に再開するまでは、朝ごはんをドーナツと甘い缶コーヒーで済ますほどの乱れた食生活を送っていました。当然このような食生活で、厳しい練習やトレーニングに耐えられる体が作られるはずもなく、練習再開当初はテニスコートに行くたびに肉離れや目まいを起こして、早々にリタイヤしていました。
現在はというと、朝食はボウルに山盛りの野菜サラダ(ブロッコリ―、ニンジン、カボチャ、アボカド、レタス、ミニトマト、ブロッコリースプラウト、サツマイモ、ノンオイル無添加のツナなど)にみそ汁、ゆで卵、ヨーグルト、バナナ、オートミール、トマトジュースが毎日のメニューとなっています。お昼は鶏肉のささみと野菜炒め、鯖缶、豆乳、豆腐などです。夜もゆで卵やキムチと納豆、魚などの低脂質高たんぱく中心のメニューとしています。
確かに食事作りに手間はかかりますが、「食事作りは体づくり」「食べることも練習」と自分に言い聞かせて、食事作りに勤しんでいます。若い体とは、単に体脂肪率が低いとか体年齢が若いというだけでなく、血管や胃腸の状態も良好である必要があります。血管の状態が良ければ、酸素や栄養分を各臓器にスムーズに届けられるようになり、持久力も向上します。胃腸の状態が良ければ、素早く栄養を吸収し、老廃物を体外に排出できます。
ちなみに私は体年齢も血管年齢も実年齢より15歳以上若い状態を保っています。また、便秘とは無縁で、1日数回定期的に排便できており、胃腸の状態も非常に良好です。現在自分史上最高の体の状態と言えますが、これも正しい食生活がすべてだと思います。
特に私が食生活で気を遣っていることが「血糖値コントロール」です。血糖値が乱高下(血糖値スパイク)すると、血管壁が傷つき、将来動脈硬化などの血管障害のリスクが高まります。また、常時インスリン(血糖値を下げるホルモン)が過剰に分泌される状態が続くとインスリン抵抗性が高まり、血糖値が下がりにくくなくなり、あらゆる病気の大きな原因である糖尿病のリスクも高まります。
人間のホルモンの中で血糖値を上昇させるものは数多くありますが、血糖値を下げるホルモンは唯一インスリンだけです。この機能が低下すると、一気に体の状態が悪くなり、最悪の場合は命にかかわることになります。
インスリンを過剰に分泌させないためには、糖質(ジュース、甘いお菓子、生成された炭水化物など)を控えるとともに、食事の食べる順番(野菜→魚や肉→ご飯)などにも気を遣う必要があります。少々面倒くさいことかもしれませんが、これらを習慣化していくことで間違いなく、若くて強い体の土台が形成されていきます。
2 1回1回の練習が真剣勝負
当たり前ですが、練習を積み重ねていくことで技術的、体力的に向上し、試合で勝てるようになってきます。しかし、同じ時間練習するにしてもどれだけ濃密な時間を過ごせたかでその効果は大きく違ってきます。
以前のブログでも紹介しましたが、私の練習時間は平日が1~2時間、週末でも2~3時間で終えています。終えているというよりは、それ以上できないというのが実情です。それほど1球1球に対して体力、気力、集中力を結集して取り組んでいます。
また、練習はテニスコートに来る前から始まっていると考えています。質の高い練習するためには、万全の体調でテニスコートに向かう必要がありますので、寝不足や前夜の暴飲暴食などは論外です。練習する前の日は午後10時までには就寝し、5時前には起床、準備をして6時半ごろからは練習できるようしています。
「1回1回の練習の質に徹底的にこだわる」これを練習においては常に意識しています。技術的にある程度成熟段階になれば、練習は「量」ではなく「質」のほうが大切になってきます。
3 積み重ねること
この言葉と同義になりますが、「継続は力なり」も私の大切にしている言葉です。練習やトレーニングを終えた後に必ず自分自身に「今日もしっかり積み重ねられた」と言い聞かせています。結局のところ自分が本当に変わった、強くなったと実感できるまでには相当の時間がかかり、一朝一夕には身に付けることはできません。
私自身も40歳から本格的に再開し、本当に自分の体やテニスの変化を実感できてきたのは、42歳ごろだったと思います。当たり前ですが、そんなに簡単に自分自身が変われるなら苦労しないでしょうし、変わったと実感した時の喜びもそれほど感じないでしょう。日々の食事や睡眠を含めた生活習慣や練習、トレーニングを積み重ねることで、長い年月で大きな差となってきます。
ジュニアや20代のころ、そしてベテラン大会に出始めたころには全く歯が立たなかった、自分のはるか先にいた選手も今や自分の方がランキングの上では上位にいます。昔の自分のことを知っている選手からすると「なぜtetujinがこれほど強くなったの?」あるいは「なぜこれほどテニスに情熱を燃やせるの?」と思われている方も多いかもしれませんが、その答えは「継続力」というほかありません。
私はテニスそのものにおける才能やショットのセンスはありません。器用か不器用かと言われれば間違いなく不器用です。自分のショットには、ある程度の力強さはあるかもしれませんが、目の覚めるサーブが打てるわけでも、華麗なネットプレーができるわけでもなく、器用さや美しさとは無縁のプレースタイルです。
自分よりも才能があってセンスあふれるプレーをする選手が数えきれないほどいると思いますが、私が彼らに絶対に負けないものは「積み重ねていく力」つまり「継続力」です。これも一種の才能と言われればそうかもしれませんが、地道な努力によって身につけていけるものだと考えています。これからもこの「継続力」という自分の強みを最大限に生かして勝負していきたいと思います。
4 自分と向き合う
このフレーズも自分の信条のひとつとなっています。苦しい時やつらい時があった時、まずはしっかりと自分と向き合えているかどうか自問自答するようにしています。テニスの試合は言わば人生のようで、うまく行く時もあれば、うまくいかない時もあります。流れがよくて何をしてもうまくいく時もあれば、相手がよくてどうしようもない時もあります。うまくいかない時に、諦めて投げ出すことはすごく簡単なことかもしれないですが、そういう場面で自分自身と向き合うことで自身の成長につながる大きなきっかけになると考えています。
また、自分と向き合うことができるようになると自分自身の体や心の状態を敏感に感じることができるようになります。「今日は少し体が重たいからケガをしないように慎重に練習しよう」「今日はいつもより集中力のレベルが低いのは、昨日の仕事で神経を使いすぎたからかな」などです。自分と向き合うことがうまくできるようになると、セルフコントロールも適切に行えるようになり、メンタルも安定し、試合で普段の実力が発揮できるようになります。
これには、普段から自分と向き合う習慣を身につけることが大切です。自分が意識的に行っていることは、マインドフルネスや瞑想の時間を日々取り入れること、1日の中で自分一人だけの時間を必ず確保すること、練習後のテニスノートや一日の終わりに簡単な日記を書くことなどです。これらのことを習慣化していくことで自分自身のことをより深く理解できるようになり、心の安定が図られていきます。
5 今この瞬間を全力で生きる
私たちは生物である以上必ずいつか「死」を迎えます。それが何十年も先のことかもしれないですし、ひょっとしたら明日かもしれない。そのことは誰もわからないことです。以前のブログでもお話ししましたが、私自身が母親の最期を看取った経験から自分の残された時間を「命の砂時計」と感じるようになり、「自分の生きた証を残したい」「自分が情熱をささげられるものに時間を使いたい」と強く思うようになりました。
今情熱を持って取り組んでいるテニスはもちろんのこと、今ここで書いているブログも自分自身の生きた証のひとつだと思っています。ある書籍で読んだことがあるのですが、死ぬ間際の患者さんなどに人生で一番後悔していることは何かという質問を行ったところ、一番多かった回答は「自分の本当にやりたかったことをやらなかった」だそうです。
数年前の自分は年齢や環境のせいにして、惰性で生きていた時期もありました。おそらくそのまま人生を終えたとしたら、私も人生を終える間際に多くの方が語られた「自分の本当にやりたいことをやらなかった」と後悔していたと思います。
しかし、今は明日、もし人生を終えたとしても「素晴らしい最高の人生だった!」と自信を持って言えると思います。もちろん明日死ぬつもりはないので、できるだけ健康で長生きをして、たくさんの経験をして笑顔で人生を終えたいと思っています。とにかく「今この瞬間を全力で生きる」をモットーにこれからも充実した毎日を歩んでいきます!
最後までご覧いただきありがとうございました。次回ですが、諸事情によりしばらくの間ブログの更新をお休みさせていただきます。ただ、ブログ運営はこれからも継続して行っていきますので、再開までしばらくお待ちください。今後ともよろしくお願いします!
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