こんにちは。鉄人blogに訪れていただきありがとうございます。今回は、体技心の最後であるメンタルについてお話を進めていきます。私は以前にもお話ししましたが、自分の一番の強みはメンタルだと考えています。

体力や技術については、私よりも優れている選手は一般の選手も含めるとたくさんいると思いますが、メンタルについては、彼らにも負けないと自負しています。

そう考える理由としては、「本番で常に実力を発揮できる(練習通りにできる)」「逆転勝ちが多い」「試合中に心のアップダウンが非常に少ない」「最後まで諦めずプレーできる」などです。また、安定した競技成績が残せていることはメンタルの強さ(安定感)の所以です。

ただ、これが生まれ持った素質かと言われれば全くそんなことはありません。私は小学校2年生からテニスを始め、実業団を辞めて教員に転職するまでの約15年間競技を続けてきましたが、本当に本番に弱い選手でした。

ジュニアの大会ではシングルスで一度も全国大会(全小・全中・インターハイ・全日本ジュニア)に行けなかったばかりか、関西ジュニアや近畿大会すらもほとんど出場できませんでした。

初めてシングルスで全国大会に出場できたのが、大学4年生のインカレでしたが、その当時も、2年生3年生とも出場するチャンスが十分にありながら、メンタルの弱さから予選で負けていました。

大学卒業後、実業団に運よく声をかけていただいて3年間プレーしましたが、そこでもメンタルの弱さは相変わらずで、シングルスでは全く戦績を残せませんでした。

当時の自分を思い起こせば、そこから長いブランクを経て約20年後に「メンタルが自分の一番の強み」と言っているとは思わなかったですし、そもそも競技としてテニスを再開し、年齢別の日本のトップ選手となっていることなど夢にも思わなかったです。人生って本当に分からないものですね。

少し話がそれましたが、メンタルが弱い自分から強い自分にチェンジできたわけですが、その秘訣を紐解いていきたいと思います。

メンタルが強くなる=本番で実力を発揮できるためには、技術や体力を向上させることと同じくトレーニングが必要ですが、殊更それらよりも単純ではありませんし、目に見えてすぐに効果がでるものでもありません。

昔、メンタルが弱かったころにメンタルトレーニングの強化に関する書籍を読みふけっていたことがありましたが、そこには、「イメージトレーニング」や「呼吸法」、「一点集中法」などの試合中の極度の緊張に対処する技術論的なことが多かったように思います。

しかし、現在私が取り組んでいるのは、技術論的なことよりも「考え方」や「意識」の部分です。それでは具体的な取り組みをお話ししていきますが、その前提として最も大切なことをまずはお伝えします。それは・・

「1回1回の練習やトレーニングを真剣勝負の場と位置付け、それらにしっかりと意味づけを行って取り組む」

ということです。

つまり練習は、本番の試合を常に想定して行いますし、マッチ練習であっても自分の思うようなプレーができなかった時は、何日もその悔しい気持ちが継続しますし、練習動画を何度も見返してその原因がどこにあったのか振り返るようにしています。

また、トレーニングもなぜこれをする必要があるのか、これをすることで、どの部分が強化されていくのか、ということを意識して行います。とくかく練習もトレーニングも惰性で行わないということです。

よく練習では強くて本番に弱い人のことを「練プロ」と呼ぶことがありますが、練プロの人は、練習を本番のリハーサルではなく、自分が気持ちよくプレーできる場として位置付けているので、いざ本番になったときにプレッシャーや緊張感で技術的にもメンタル的にも自分をコントロールできないのだと思います。

それではこの前提を踏まえたうえで、メンタル強者の私自身取り組みをお伝えします。それは・・

万全の準備をもって練習(試合)を行う

テーマをもって練習(試合)に取り組む

練習相手(対戦相手)をリスペクトする

やり切るという小さな成功体験を積み重ねていく

それぞれを詳しく説明していきます。

万全の準備をもって練習(試合)を行う

 私は基本的に練習も本番の試合も肉体的にも精神的にも同じコンディションで行わなければ、意味がないと思っています。そのため、練習も試合と同じように必要な準備をし、前日には十分な睡眠を取って心身の状態を万全にして臨むようにしています。

よく前日のお酒を抜くためとか、朝ごはんも食べずに来るとかという方もおられますが、私はそのような状態では、100%コート内でファイトできる自信がありませんので、前もって100%の状態で練習ができないと分かっているなら、練習は行いません。

これを普段の練習から心がけていると本番でもいつも通りの感覚で会場に向かうことができますので、心身のエネルギーのロスを防げ、試合そのものに集中することができるようになります。

テーマをもって練習(試合)に取り組む

 練習では、必ずその日のテーマ(課題)をもって取り組むようにしています。具体的には、サーブの確率を上げて3本目攻撃する、一歩中に入って攻撃する、ダウンザラインを早めに打っていく、オープンコートへ散らしていくなどです。

以前、マッチ練習の時にどうも試合の入りがフワフワして、集中できていない時期がありましたが、よくよく考えてみると「ただ何となく」マッチ練習をこなしていたと気づきました。

今では、テーマを意識することでマッチ練習であっても1ポイント目から100%集中できるようになり、ゲーム全体のクオリティも各段に向上しました。

また、本番の試合では、「勝つ」ということが大前提であるものの、「練習で取り組んだことを試合で表現する」ということを常に意識してプレーしています。もちろん、いつも100%練習通りにはいかないですが、緊張感でラケットが振れなくなったり、勝ちビビりしたり、練習と別人のようなプレーをすることはなく、安定したパフォーマンスが発揮できています。

練習相手(対戦相手)をリスペクトする

私はお伝えした通り、ここ数年の競技成績から客観的に見て自分より力が劣っている選手に足元をすくわれたことはありません。その理由の一つにマッチ練習であっても本番の試合であっても「相手をリスペクトする」ということを常に心にとめているからです。

本番の試合であれば、この試合に向けて練習やトレーニングを重ね、スケジュールを調整し、同じ土俵に上がっているという事実がリスペクトするに値すると思っています。それは自分自身がその大変さをよくわかっているからです。

それにはこれまでの実績や経験など関係ありません。選手の中には相手の力量によって、あるいは勝敗がある程度決まってきた段階で自分のプレーレベルを急に落としてしまう人がいます。もっと簡単に言うと「相手を馬鹿にしたように見えるプレーをしてしまう」ということです。

全部のショットをハードヒットしたり、ドロップショットを多用したり、ミスをしてもヘラヘラしたり・・。もちろん次の試合に向けて、その試合でまだトライできていないショットをあえて打っていくケースはありますが、それはあくまでも真剣プレーの一つなのです。

よく「大﨑さんは5-0の40-0になっても全く手を緩めてくれない」と言われることがありますが、それは私にとって、相手をリスペクトしているからこそのことですし、その姿勢こそがメンタルの強さにつながっていると考えています。

やり切るという小さな成功体験を積み重ねていく

ここでは具体的に詳しくはお話しませんが、1週間単位で練習やトレーニングのメニューを完全にルーティーン化して取り組んでいます。そのメニューを淡々とこなし、「今日も全力でやり切った」という体験を積み重ねていますが、それが自信につながっていき、試合中の苦しい場面でもベストを尽くせるのだと思います。

普段から自分がやると決めたことから目をそらし、妥協している人は苦しい場面で必ず自分に(相手にも)負けてしまいます。「自分に負ける」それは「相手に負ける」こと以上に悔しいことですので、そうならないように普段からの積み重ねという小さな成功体験を大切にしています。

この積み重ねのおかげで「心」に関しては間違いなく人生で今が最高の状態であると自負しています。テニスは勝敗が必ず決まる競技ですので、いくら自分がいいプレーをしても相手がそれ以上であれば、負けてしまうこともありますが、心が充実していれば試合後の満足感や納得感は勝敗に関係なく得ることができます。是非、体、技だけでなく「心」も強化していただけたらと思います。

ただ、ここまでの話はあくまでも私の実践していることであり、メンタルの強化は体力や技術強化以上に個別性があると思いますので、ここまでの話を参考にしつつ、自分なりのメンタル強化法に取り組んでみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました。次回もよろしくお願いします!

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