こんにちは。鉄人blogに訪れていただきありがとうございます。今週に入って今シーズン最強寒波が日本海側の地域を中心に猛威を振るっています。幸い私が住んでいる地域は、積雪こそありませんが、朝の最低気温は氷点下となっており、しばらくたたないと体が温まらないので、寒さと闘いながら練習に励んでいます。

思い起こせばちょうど1年前のこの時期も大寒波が訪れ、ちょうどその時にセンコーカップの決勝戦が行われ、猛吹雪の中で試合をしたことを思い出ました。今年のセンコーカップは幸い天候の影響をそれほど受けずに、1回戦から決勝戦まで順調に日程消化ができたのは、仕事との両立を図りながら競技生活を送っている身としては本当に良かったです。

さて、今回は大会レビュー編PART2として準決勝、決勝を振り返っていきたいと思います。

前回のPRAT1でお話しした通り、昨年の同大会で優勝(40歳以上)したもののITFのポイントルールのため45歳以上の部では1回戦からの出場となり、初戦から全日本ベテランの優勝経験者と対戦するハードなドローでしたが、なんとか勝ち抜いて準決勝進出を果たしました。

準決勝でも今大会を迎えるにあたってのテーマである「相手のペースに合わせることなく、自分のテニスをやり通せるか」ということを常に考えながら試合に臨みました。それでは準決勝から振り返っていきたいと思います。

準 決 勝 6-1 6-3 井山 浩二(ルーセントテニスクラブ豊中)

〇試合前に考えていたこと

対戦相手の井山選手とはこれまで3度の対戦経験があり、すべて勝利していますが、昨年の同大会の対戦では、1セットを先取され、2セットも序盤でリードを奪われる非常に苦しい試合でした。

今大会の会場のオムニコートは人工芝の毛足が短く、球足が比較的速いコートですので、井山選手のような長身でパワフルなサーブやストロークを武器とする選手にとっては、フィットしやすいコートであるといえます。

しかも、対戦相手が第1シードであった準々決勝を6-0,6-0で完勝してきており、非常に調子もよさそうでした。井山選手と対戦を迎えるにあたっての私は以下のことを基本的な戦略として闘うことにしました。

・受け身にならない(受けて立たない)

・1球でも多く返球する

・ストロークをベースにしつつ、ネットプレーやドロップショットなど多彩なパターンで攻撃する

・相手のナイスショットに対して気持ちをすぐに切り替えてプレーする

昨年の対戦で上記のことが徹底できず、リズムよくプレーされてしまったという反省から、今回はこちらからリズムとゲームコントロール感を保ちながら、試合を進めていくことを意識しました。

〇戦況

私のサービスから始まった第1ゲームは危なげなくキープし、第2ゲームですぐさまブレーク、そしてそのいいリズムで第3ゲームを簡単にキープし、3-0となりました。第4ゲームで再びブレークし、第5ゲームをキープして5-0となり、完全に第1セットの流れを掴みました。

昨年の対戦では、1セット0-4ダウンまで一方的にやられていましたので、今年は全く逆の展開となりました。その後、第6ゲームをキープされましたが、第7ゲームをキープし、第1セットを6-1で先取しました。

第1セット終了後に井山選手がメディカルタイムアウトを取って、トレーナーの治療後に、第2セットが始まりました。第2セットも第1ゲームから相手のサービスゲームをブレークし、第2ゲームをキープし、2-0となりました。第2セットも序盤で流れを掴めたので、そのまま一気に畳みかけたかったのですが、そこから井山選手のサービスが決まり始め、ブレークが難しくなりました。

私もその後の自身のサービスゲームをキープし、4-3となりましたが、次第に試合の流れが井山選手に傾き始め、第8ゲームの私のサービスゲームで0-30とブレークのピンチを迎えました。

ここでブレークを許せば一気に流れが相手に渡ってしまい、難しいゲームになっていった可能性がありましたが、何とか踏ん張ってキープし、5-3とすると第9ゲームで相手のサービスゲームをブレークし、6-3で取って勝利することができました。

〇試合を終えての感想

この試合の勝因は、試合前に考えていた基本戦略を徹底できたことにあるのではないかと考えています。井山選手と私を比べた時、ストロークの安定性やフットワークに関しては私のほうに分がありますが、サーブ力やストロークの一発の破壊力は井山選手に分があります。

昨年の対戦の時がそうであったように、波に乗り出すと止めることが非常に難しくなるので、試合全体を通じて、いかに自分のリズムでゲームを進めるか、逆の言い方をすると相手にリズムよくテニスをさせないかということを考えてプレーしました。

第1セットはそれがうまくいって危なげなかったですが、第2セットの中盤以降は、井山選手のサーブやストロークの調子が上向いてきて、リターンゲームはほぼノーチャンス状態でした。

ただ、この時に考えたことは、「最後までボールを追いかける」そして「決められたポイントを引きずらない」でした。最後までボールを追いかけることで、相手に見えないプレッシャーを与え続けることができますし、それによってポイントにつながる場合もあります。マッチポイントでは、ギリギリ追いついたショットがちょうど相手の打ちづらいところに返ってミスを誘えたということもありました。

また、「決められたポイントを引きずらない」ということに関してもスーパーショットは相手の持ち味だと理解していると、決められてもこちらの精神的ダメージも少なく切り替えがうまくいきます。そのような気持ちの持ちようによって流れが相手に行きかけた第2セットを取り戻した要因の一つではないかと思います。

決   勝 6-0 6-1 入江 正和(ルーセントテニスクラブ八尾)

〇試合前に考えていたこと

決勝戦で対戦した入江選手とは、今大会期間中、朝のプラクティスをほぼ毎日一緒にさせていただいていましたのでプレースタイルや球質については十分理解できていました。(当然相手も同じことだと思います。)

入江選手は、抜群の安定感のあるストロークとフットワークが武器で、簡単なミスをほとんどしない典型的なストロークプレーヤーです。相手がいくら打ち込んでもしっかり返球されるため、相手選手が根負けし、ミスを連発してしまいます。

準決勝では先に私が井山選手との試合を終え、少しだけ入江選手の試合を見ていたのですが、強打が持ち味のイタリア人選手相手に一方的に打ち込まれているようでしたが、うまくミスをさせていました。結果的にファイナルセットで勝利され、決勝に勝ち上がってこられました。そこで決勝戦を迎えるにあたって次のことを基本戦略としました。

・相手の得意な遅いラリーのリズムでストロークをせずに早い展開のラリーを心がける

・先に先に攻撃を仕掛けていく

・より多くネットプレーにチャレンジする

・スライスやドロップショットなども使ってストロークに緩急を混ぜる

・長いラリーとなることを予め想定しておく

各ショットのクオリティは私の方が勝っていると感じていましたが、長いラリー戦につきあってしまうと安定感や粘り強さに分がある入江選手の土俵で闘ってしまうことになってしまうので、そうならないように気を付けて試合に臨みました。

〇戦況

相私のサービスから始まった第1ゲームは、できるだけ長いラリー戦を避けるような配球に心がけ、ラブゲームでキープしました。第2ゲームは、入江選手の深くて安定感のあるストロークにミスをさせられ、40-40までいきましたが、しっかり攻め切って早々にブレークすることができました。

この2ゲーム目のブレークで序盤の流れをしっかり掴むことができたので、その後もより攻撃的なテニスで、ストローク戦でも圧倒していきました。そのままの流れで残りの4ゲームを連取し、第1セットを6-0で先取しました。

第2セットも私からのサービスゲームでしたので、第1セットと同じように、早い展開のプレーを心がけ、相手選手に流れを渡さず5ゲームを連取し、6ゲーム目はキープされたものの、7ゲーム目をキープし、6-1で取って勝利することができました。

〇試合を終えての感想

6-0,6-1という結果以上に、練習での取り組みが試合で存分に発揮できたことがとても嬉しかったです。相手は違いますが、全日本ベテランで負けた相手は入江選手と同じタイプの本当にストロークが安定した選手でした。

こういった相手に対して、ベースラインからのストローク戦だけで、ポイントを取りに行こうとすると、1ポイント1ポイントが長くなりますし、体力も消耗されて、筋肉の痙攣やプレー中のケガなど想定外の事態が起こる可能性も高くなります。

私自身も体力的に同年代の選手と比べ劣っているとは思いませんが、敢えて相手の得意な土俵で闘う必要もないと考えられるようになりました。

また、決勝戦の入江選手のように長いラリーを得意としている選手に対しては早い展開を、逆に準決勝の井山選手のように単発でポイントを取っていきたい相手に対しては粘り強いプレーを選択するなど、相手によって自分のテニスを変化できるようになってきているのも、自己成長を感じられる部分です。

今回の優勝でノーシードながら2連覇を果たし、昨年に続いて優勝カップを掲げることができました。優勝スピーチでも述べさせていただきましたが、ITF主催大会では5月の山梨大会、そして11月の東京での世界選手権での上位進出が大きな目標となります。

今大会では実現しませんでしたが、次回の大会では是非海外の選手とも試合をして、日本人とは違うパワフルでスピード感のあるテニスを体感したいと思っています。最後までご覧いただきありがとうございました。次回もよろしくお願いします!

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