こんにちは。鉄人blogに訪れていただきありがとうございます。いよいよセンコーカップのレビューも今回で最後になります。センコーカップが終了して、2週間ほど経過しましたが、改めて素晴らしい大会だったと感じています。センコーカップは2年前の兵庫大会、昨年の山梨大会、そして今回の3回目になりますが、選手ファーストの大会運営にはいつも感心させられます。

私は都合で参加できませんでしたが、選手の交流を図るレセプションパーティーが選手は無料で参加できますし、試合会場には選手用のドリンク、バナナ、コーヒーなどが常備されており、いつでも安心して試合に臨むことができ、試合が終われば仲間と談笑できるスペースも用意されています。さらに、今大会は選手用のお昼のお弁当まで用意されており、至れり尽くせり状態でした。本当に運営してくださったスタッフのみなさまのおもてなしに感謝してもしきれないそんな大会でした。

個人的な意見にはなりますが、すべてのJOP大会とは言わないまでも、少なくとも全日本ベテラン大会では、これくらいの選手ファーストの大会運営をしていただけると選手も励みになるのではないかと感じます。それでは決勝戦を振り返っていきたいと思います。

決   勝 6-2 6-3 

対戦相手:三木康太郎(くにじま)

事前情報:前回大会ベスト4、全日本ベテラン出場経験あり

プレースタイル:

ハードヒット型オールラウンドプレーヤー

・ウイナーが取れるサービスを持っている

・回り込んでフラット系のフォアハンドを打ってくる

・ネットプレーやドロップショットなどショットバリエーションが豊富である

・身長が高く手足が長い

・バックハンドはスライスが主体でトップスピンはそれほど得意ではない

戦  術:

①アンフォーストエラーは抑えながらも、受け身にならないように力強いボールを打っていく

②先に先に攻撃を仕掛けていき、ストローク戦では左右に振っていく

③相手にサービスに対して少し後ろ目にポジションを取ってリターンから攻撃していく

④とにかく攻撃的なメンタルをもってゲームを進めていく

戦  況:

私のサービスゲームから始まった試合は、初対戦ということもあり、お互い様子を伺うような立ち上がりだったが、私は相手のバックをうまくねらってラリー戦を展開したいというのに対して相手選手は、できるだけフォアに回り込んで、逆クロスそしてストレートに展開し、先に攻撃を仕掛けていきたいというお互いの戦術がはっきりと見えたものだった。それに加えて相手選手はまともにラリーすることを避け(試合後にそのように話してくれた)、ドロップショットをはじめ、球足の短いボールで前後に積極的に揺さぶりをかけてきた。

中々まともなラリー戦がないなか、自分のリズムでゲームが進められないもどかしさがありながら、第1ゲームをキープ。第2ゲームは相手選手のサービスとストロークが決まってキープ。第3ゲームはブレークポイントを握られるも何とかキープし、逆に第4ゲームはブレークポイントを握りながらも素晴らしいドロップショットを決められブレークできず2-2となった。第5ゲームもキープし、第6ゲーム相手のサービスゲームで再びブレークポイントを握った。第1ゲームから何度もやられていたドロップショットに対応できるようになり、相手にプレッシャーをかけられたことにより、ラッキーポイントもありながらなんとかブレークし4-2となった。

少し気落ちした相手選手のミスが多くなり、第7ゲームをキープし、続く第8ゲームでも再びブレークし、1セットを6-2で先取した。ここまではある程度思い通りの展開であったが、2セットはさらに難しいゲームになることを予想していた。それは、ボールがニューボールに変わるということと、天候の状態がさらに不安定になってきたからだった。

嫌な予感は的中し、1ゲーム目の自身のサービスゲームでこの試合初めてブレークを許して、0-1となった。第2ゲームも完全に相手ペースのゲームだったが、ラッキーポイントがあって、辛くもブレークしたものの、第3ゲームでは、ひどい風と雪に見舞われた荒れた天候の中でサービスをうまくコントロールできず簡単にブレークを許し、1-2となった。

この時点では、1セットを取った時のいい流れは完全に消失し、完全に相手ペースの試合となっていた。ただ、激しい雪のため、このままの試合続行が難しい状況となり、レフェリーに試合中断を申し入れ、第4ゲームから室内コートへ移動して再開することになった。このコート移動が「勝負のあや」となった。もちろん流れが悪かった自分にとっては非常にありがたいコート変更になった。

室内コートに移動して始まった相手選手のサービスゲームは、相手選手のナイスショットが連続して決まりあっという間に40-0となったが、1本ずつ粘り強くポイントを重ね40-40となった。ここのノーアドバンテージはこの試合を左右する大きなポイントとなったが、相手選手のナイスサーブに対して、やっとの思いで返球した力のないロブを相手選手がまさかのスマッシュミスを犯し、非常にラッキーな形で2-2に追いついた。

天候不順のために足元が非常に滑りやすかったアウトドアコートと違い、しっかり地に足をつけてラリーをすることができる室内コートでの試合再開やこの第4ゲームをブレークできたことにより、再び流れを取り戻すことができた。続く第5ゲームはいい形でキープし、3-2のリードとなったが、第6ゲームでは相手選手も素晴らしいサービスを軸にしっかりキープし、3-3となった。第7ゲームも一進一退の展開が続いたものの、攻撃的なテニスでこのゲームをキープし4-3とリードを奪った。

相手選手も意地を見せ、第8ゲームは40-15となったが、2ポイント返し、40-40となった。このセットの第4ゲームに続いての非常に大きなポイントとなったが、相手選手の力のあるストロークに何とか食らいついて返球したことで、相手選手の力みを生んでミスを誘い、第8ゲームで大きなブレークをつかんだ。サービングフォーザチャンピオンシップとなった。

第10ゲームのサービスゲームは、とにかく弱気にならない、万が一ブレークされてもリードして第9ゲームを迎えられると自分に言い聞かせ、攻撃的な姿勢を貫いた。第1第2ポイントをいい形で取って30-0となったが、相手選手の素晴らしいリターンなどで2ポイントを返され30-30となった。

次のポイントはワイドへサービスを入れてリターンミスを誘い40-30とマッチポイントを迎えた。少し間を取りながら「いいファーストサーブを入れて、いい攻撃をしていく」と自分自身に再度言い聞かせサービスモーションに入った。ファーストサーブが相手のバック側の深いところに入り、相手選手のスライスリターンを力強くフォアハンドでストレートに打ちこんだ。相手選手が何とか届いたボールはベースラインを大きく超え、この瞬間2年ぶり2度目の優勝が決まった。

気 づ き

①昨日の試合では試合に入る前の気持ちの準備を整える時間を確保できなかった反省を活かし、会場での練習後に、集中を高める時間を確保したことにより、最初のゲームから集中して試合に入れた

②相手のテニスについての情報を事前に得ることは大切だが、戦術によっては、全く違うテニスをしてくることもあるので、そのことも頭に入れておくことが大切である

③天候や相手の戦術によって、通常通りのテニスがやりにくい場合もあるが、「天候は相手と同じ条件」「戦術変更は相手もリスクを負っている」とポジティブに考えて、イライラしないことが大切である

④重要なゲームであればあるほど、自分のプレーに一貫性を持たせ、ポイントが欲しいがための中途半端なプレーを選択しないことが大切である

⑤ゲームの後半は重要なポイントが多くメンタルパワーが必要となる場面が多いので、十分に間を取ること、自身を励まし鼓舞し続けることが大切である

最 後 に:

4日間の試合日程を終え、無事に優勝できましたが、今大会はいつも以上に自分にとっては非常に価値のある嬉しい優勝でした。それにはいくつか理由がありますが、一つは大会直前にケガをしてしまったということがありました。

この大会に向けて、年明けからいい調整ができていたのですが、大会開催の数日前の練習時に軽いぎっくり腰のような怪我をしてしまい、発症時にはまともに歩けない程の痛みがありました。試合まで数日間あったので、とにかく回復することを祈りながら生活しました。幸い、試合前日には痛みもマシになり、コルセットを巻いて試合をしましたが、万全のコンディションではありませんでした。その中でベストを尽くしてプレーし、優勝できたことはとても自信になりました。

二つ目は、向かってくる相手に対して受け身にならず、自分のテニスをやりきれたことでした。私はITFの大会は昨年の山梨大会のみの出場でITFのランキングはそれほど高くないので、今大会は第8シードでの出場でしたが、JOPランキングでは、出場選手の中では最上位でした。「勝ちたい。勝たなくてはいけない」という気持ちと「自分のテニスをやり切る」という気持ちがせめぎ合った場面もありましたが、最終的には自分のテニスをやり切ることができたことが大きな自信となりました。

最後はこの格式の高い大会で優勝できたことでした。冒頭でも申し上げましたが、今大会は選手ファーストの素晴らしい大会運営で、表彰式も別で用意されているなど、他の大会ではない心が高揚する演出が行われているなど、心に残る大会だったということです。この大会で優勝できたことは、自分の人生の中でも特別な出来事になったことは間違いありません。今年最初の大会を優勝という最高の結果で終えることができました。ただ、それぞれの試合の中でもたくさんの課題が見つかったことも事実ですので、それを今後の練習でしっかりリカバーしていけたらと思っています。

長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。次回は「鉄人式若返りメソッド(メンテナンス編)」についてお話ししていきたいと思います。次回もよろしくお願いします!

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