こんにちは。鉄人blogに訪れていただきありがとうございます。11月9日に男子ツアー最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(イタリア・トリノ)が開幕しました!

個人的にはこの大会の前週に行われていたATP250アテネで通算101回目の優勝を飾ったジョコビッチ選手に注目していたのですが、この試合終了後に肩の痛みから出場を取りやめたようです。

今回欠場とはなりましたが、38歳となったジョコビッチ選手がトップ8位以内の選手のみに出場の資格が与えられるATPファイナルズに出場できること自体が驚異的であり、彼の活躍ぶりに私自身も勇気と感動をもらっています。

ジョコビッチ選手の強さについては以前のブログでも書きましたが、その中でも競り合った中での「勝ち切る強さ」が他の選手と一線を画していると分析しています。

私自身のことですが、一昨年度(2023年)の全日本ベテランのQFで負けて以来今年の全日本ベテランを含め、ベテラン大会では2年間1度も負けていません。

ただ、この中でもセットを落としたり、競り合いのゲームも多くあり、全ての試合で圧倒して勝ったわけではありません。

それでも2年以上負けていないという事実から自身の強みも「勝ち切る強さ」だと感じています。

今回は「勝ち切る強さ」を身につけるために必要なことについてシェアしていきたいと思います。

勝ち切るための必要な要素は心技体で考えた時に以下になります。(敢えて体、技、心の順にします)

〇同年代よりも優れたフィジカルの状態(体)

〇自身のよりどころとなるショット(パターン)を持つ(技)

〇状況の分析と割り切り思考(心)

一つずつ説明していきます。

〇同年代よりも優れたフィジカルの状態

競り合いになるということは必然的に長い試合になり、最終的には体力勝負になります。

ベテラン大会(Dグレード以上)は基本的に3セットマッチ(ファイナルが10ポイントタイブレークの場合もあり)となり、長ければ3時間以上になることもありますので、要所でのゲームで体力が残っているか、また戦略的に体力を温存できているかということが大切になってきます。

その観点から考えると私自身はこの2年間、競り合った場面で相手選手と比べて体力が劣っていたと感じたことはなく、その結果、競り合った場面でも勝ち切れているのだと思います。

そもそもどのような体の状態がテニスで言う「体力がある体」といえるのでしょうか。

それは、

①一度心拍数が上がっても元の心拍数に戻る早さ(心肺機能)

②長時間の試合でも最後まで動きが変わらない筋肉の状態(筋持久力)

だと考えます。

この①②が優れていれば後半になっても動きが落ちず、後半になって動きが落ちてくる相手との差が大きくなってきます。

①②を身につけるために私が日常的に意識していることは、食事とトレーニングです。

食事については「抗酸化・抗炎症作用を持つ食品」を積極的に摂取し、血管年齢を若返らせること、

トレーニングについては「HIITトレーニング」「体幹トレーニング」「バランストレーニング」を日常的に行うことです。

因みに現在、血管年齢も体年齢も実年齢-18歳をキープしています。

普通に考えて体の状態が45歳と30歳で勝負すればどちらが勝つかは言うまでもないことだと思います。

〇自身のよりどころとなるショット(パターン)を持つ

競り合った試合の場合、勝敗を分けるのは、いつも数ポイントの差だと感じています。それは5-5の40-40(ノーアド)であったり、タイブレークの終盤のポイントであったりします。

この2年間を振り返ってもこれを取られていたら負けていた(もしくはさらに厳しい状況になっていた)という場面が幾度となく訪れましたが、そのほとんどのポイントを取り切っていた印象があります。

この「絶対に取りたいポイント」で必要となるのが、「自身のよりどころとなるショット(パターン)」を持っているか否かということになります。

プレッシャーのかからない場面でいいショットを打てるのは、ある程度のレベルになれば簡単にできますが、それが競り合った場面でできる選手は、あまりいないように思います。

どんな緊迫した場面においてもコントロールできるショットが本当に自信のあるショットつまり、「自身のよりどころになるショット」であると言えます。

私で言うと絶対にミスをしないストロークやアプローチからのネットプレーなど、どんな状況でもコントロールできるショットやパターンを持ち合わせています。

これがない選手は競り合うとショットが入らなくなる、一か八かのショットに頼ってしまう、つなぎに入ってしまうなどとなってしまい、結局は要所を取り切れないで負けてしまうことが多いのではないかと思います。

「ノーアドを取っていれば・・」「いい勝負できていたんだけど・・」「次やれば勝てると思う・・」など、負け試合の後によく聞かれるコメントですが、これを言っている間はまた同じ失敗を繰り返すのだと思います。

競り合った場面でどうしてポイントを取れなかったのかという「本当の負けた原因」や「自分自身の弱さ」にしっかり向き合い、それを克服するための練習を続けていくことが強くなる唯一の方法です。

〇状況の分析と割り切り思考

「競り合った場面や形勢が不利な状況でどんなことを考えているか」

とよく聞かれることがありますが、それに対して

「客観的な状況を冷静に分析すること」

「その中で今できることに集中すること」

と回答しています。

客観的な状況とは、現在のスコアやミスやエースの数などの目で見えるものもあれば、試合の流れや相手の精神状態などの目に見えないものもあります。

それらの状況を冷静に分析し、その中でどのようなショット選択やプレーをすれば、目の前の状況を打開できるかということを常に考えてプレーしています。

相手に勢いがあれば、ペースを変えたり、とにかく我慢強くラリーを続けたりすることを考えますし、逆に相手が弱気になっていると感じたらテンポを上げてラリーをしたり、ネットプレーに出たり、攻撃的にプレーすることを考えます。

とにかく時々の状況の中で「今できることに集中する」ということを徹底して行います。

それができている時は「このポイントを取らなければ・・。」や「さっきのポイントがなぜ取れなかった・・。」などのこれからのこと(未来)や終わってしまったこと(過去)に思考が向くことはありません。

「これで取れなかったら仕方がない。」「やるだけやってみよう。」というある意味、割り切った心理状態ですので、プレーに迷いがなく、ポイントの得失にかかわらず、自信をもってまた次のポイントに向かうことができます。

この心理状態が競り合った場面になればなるほど、作れるようになり、本来は苦しいはずの場面でも、心に少しの余裕を持ちながらプレーできるようになり、飛躍的に競り合った試合に強くなりました。

この心理状態を作り出すこと、つまりメンタルスキルは私が持っている技術の中で最も優れているものと自負しています。

それではこのようなメンタルスキルをどのように身につけるのかというと、その答えは

「場数をこなす」

これしかありません。

私は本番とマッチ練習を合わせて年間で350~400セットほどこなしています。本格的にテニスを再開した40歳から数えるとその数はゆうに3000セットはくだらないと思います。

しかも、私はマッチ練習であっても本番の試合と同じ強度とメンタルで行いますので、本番の試合での再現性は限りなく高いと思っています。

また、その1試合ごとに何が良くて何が悪かったのかどういうプレーをすべきだったかということを映像も含め振り返っていきますので、経験が積みあがっていきます。

果たしてベテラン選手の中で、この数と質のマッチ練習をこなしている人がどれくらいいるでしょうか。

ここが私と他の選手と比べ、小さいようで大きな差であると感じていますので、トーナメントに出場し続ける限りは、これを継続していきたいと思っています。

競り合った場面で勝ち切れない、あるいはライバルに差をつけたいと考えている選手は是非参考にしていただければ幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。次回もよろしくお願いします!

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