こんにちは。鉄人blogに訪れていただきありがとうございます。今回のPRAT3から、実際の試合のお話しさせていただきます。前回のPART2では、試合に向けての調整法や準備について具体的にお話ししました。
ここまでで、心と体の準備は十分に整った状態になりましたので、試合では、自分の持てる技術、戦術を駆使して、ゲームをマネジメントしていくことになります。それでは、まず今大会でのテーマ(戦術含む)についてお話していきます。
1 本大会でのテーマ
・高地でのハードコートという弾む、飛ぶというコート環境に対して、後ろに下がりすぎにできるだけ早いタイミングで前で処理していくこと
・サービスポイントを多くとっていくためにコース、スピードを打ち分けていくとともに、確率を上げていくこと
・強いリターンを心掛け、リターンゲームにおいても先に攻撃を仕掛けていくようにすること
・アベレージラリーではエッグボールを有効に使って、相手をより後ろでラリーさせること
・サーブ&ボレーを含め、ネットプレーの機会を多くすること
今大会はいつもとは違う環境でのゲームとなっていました。それは、球足の遅い室内ハードであること、会場が1000mの高地のためボールが非常に飛んでいくこと、多くのJOP大会で採用されているノーアドバンテージ方式ではなく、デュースあり方式であることなどが挙げられます。
これらのことを踏まえ、基本戦術として、オムニコートでの試合よりもさらに「攻撃的なテニス」に比重を置いて試合を進めることにしました。「攻撃的なテニス」は昨年の全日本ベテラン終了後に、自身の大きなテーマとして継続的に取り組んできましたし、これまでの取り組みの成果を確認するには絶好の機会でした。
また、遅いハードコート、デュースあり形式などのことを考えても、ミスをしないゆっくりとしたペースで試合をすることは、試合時間も長くなり、体力も消耗され、トーナメント全体のマネジメントを考える上でもいい選択とは思えませんでした。それでは、次にトーナメント全体のマネジメントを考えていきたいと思います。
2 トーナメントドローについて
ITFの大会(センコーカップ)のドローは大会の3日前に公開されることになっているため、大会直前まで対戦相手が分からないというJOP大会とは違う緊張感が大会直前まで続くことになりました。
というのも、私はITFポイントではセンコーカップ兵庫での優勝の400ポイントしか保有していないため、シードに入るかどうかギリギリの位置にいたということがまずありました。
それに加えて今大会はマスターズ1000という高グレードの大会となっていたため、全日本ベテラン優勝経験者などの日本ランキングトップ選手が多く参加していたのですが、彼らも私と同様にITFポイントを多く保有していない選手が多く、中には0ポイントのためワイルドカード(主催者推薦)での出場選手もいました。
ということは、初戦あるいは、早いラウンドで彼らとの対戦の可能性があるということです。もちろん彼らと対戦すること自体は個人的には非常に楽しみでしたが、トーナメントを勝ち上がっていくという観点でマネジメントを考えていく上では厳しい状況になり得ます。
そういう事情もあり、ドローの公開日までそわそわしながら待っていましたが、ようやく3日前に公開されたドローを見て、少し胸をなでおろしました。
その理由は、全日本ベテラン優勝経験者などのJOPランキング上位者の多くが、反対側のドローとなっていたこと、今大会の第1シードで優勝候補の筆頭と目されるフィンランドの選手と準決勝まで対戦しないこと、準決勝まではこれまで対戦経験のある選手または、JOPランキングで下位の選手であったことなどの理由からでした。
もちろん、対戦相手によって自分の試合に対する心構えや準備は変わりませんが、準決勝まではある程度見通しの持てるドローであったことは間違いありませんでした。
3 トーナメントマネジメント
ある程度見通しの持てるドローであったので、試合に向けての準備を抜かりなく行っていくことは当然として、準決勝まではある程度体力を温存できるようなマネジメントを行っていくことにしました。
具体的には、ゲームの前半からある程度圧力をかけながらゲームを取っていき、早い段階で相手のメンタルにダメージを与え、カムバックのチャンスを奪っていくゲームプランを行っていくことにしました。そのため、いつも以上に試合の入りに集中し、ファーストサーブ、ファーストリターンから攻撃を仕掛けていくようにしました。
4 初戦(2回戦)~準々決勝
それでは初戦から準々決勝までの試合を簡単に振り返っていきます。
※氏名・結果等はJOPCOM等に公開されていますので、本ブログにおいてもお名前を掲載させていただきます。
1 回 戦 BYE
2 回 戦 6-1 RET 廣瀬 正志
3 回 戦 6-0 6-0 吉田 幸男
準々決勝 6-0 6-2 清川 浩平
当初のプラン通り、初戦から準々決勝までの3試合は、ゲーム序盤からしっかりとリズムを掴んで、完全に相手選手を圧倒した内容でした。
標高1000m、球足の遅いハードコートなど、ボールをコートに収めるのが通常のコートに比べ困難な外部環境の中でしたが、ストロークにおいてはベースラインとサービスラインの真ん中付近にボールを集めることに集中したことで、アウトミスも少なく、前半からうまくゲーム運びができました。
サービスも室内コートにより風の影響もなく、高確率で決めることができ、3試合を通じて、サービスブレークを許したゲームは初戦の1ゲーム目のみでした。このように非常に効率的な勝ち上がりにより、体力も温存でき、今大会の最大の山場である準決勝に向けて、これ以上ない状態で臨むことができました。
5 対戦相手の試合を観戦
私の準々決勝がその日のファーストラウンド(9:00)に開始であったため、試合終了後は明日の対戦相手やその他の選手の試合をじっくり観戦することができました。特に明日の対戦相手の準々決勝の試合は戦術を立てる上でも興味深く観戦しました。
もちろん注目は第1シードのフィンランドのリッコネン選手でしたが、対戦相手の細川選手も全日本ベテランの優勝経験者で非常に力のある選手でしたので、競り合ったゲームになるのではないかと予想していましたが、結果は6-1,6-0でリッコネン選手の完勝でした。
リッコネンの選手のプレースタイルや特徴は次回詳しく述べますが、とにかくミスの少ない、安定力が半端なく高い選手でした。しかもこの遅くて跳ねるハードコートに非常に適応したプレースタイルでしたので、試合を見ながら「これはかなり難しい試合になるな」と感じていましたが、同時に勝つためにはどのようにプレーすべきかということもしっかりとシミュレーションしていました。
次回は、リッコネン選手との準決勝について詳しく話をしていきたいと思います。最後までご覧いただきありがとうございました。次回もよろしくお願いします!
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