こんにちは。鉄人blogに訪れていただきありがとうございます。本当に暑いです。普段は早朝6時半ごろから練習することが多く、この時期以外なら非常にさわやかな空気の中で気持ちよく練習ができるのですが、この時期はその時間から空気が熱くて重い。少しラリーを始めると滝のように汗が噴き出てきて、心拍数も一気に上昇します。

約1時間の基本練習が終わるころには、疲労困憊で正直帰りたくなるのですが、そこから通常2~3マッチほど行います。今回はベテランテニス界で勝ち続ける秘訣PART5としてこのマッチ練習をより効果的に行う具体的な取り組みについてお話していきます。

先日、ベテランテニス界では話題になっていた杉村太蔵さんが「優勝」という目標を掲げてチャレンジしていた毎日オープンテニス大会が終了しました。杉村さん効果もあり、杉村さんが出場していた45歳以上の部については例年の倍近い方のエントリーがあり、大盛況だったようです。

当の杉村さんは2回戦で第1シードの向選手に敗れ、優勝とはならなかったですが、試合後のインタビューの中で、充実感を語られる一方で「来年も出場したいが、勝ち上がっていくためにはその前に数大会出場する必要がある。」と述べられていました。

私の今回の杉村さんの結果の正直な感想として「1年前と比べ、技術や体力の向上は見られるものの、試合勘が圧倒的に不足している。」と感じました。

その理由は、私が40歳からテニスを再開し、数年間でテニスが再開前と比べ格段に良くなっているにもかかわらず本番の試合で実力を発揮できず、全く勝てなかったころと状況が酷似しているからでした。

今回優勝されたローランド選手も杉村選手のことを尋ねられた時に「もっとたくさんの試合経験を積めばもっとよくなる。」とおっしゃられていました。

さて、私の通常の練習スタイルは、30分~1時間の基本練習の後に、時間までマッチ練習を行っていきます。平日2回の練習では、1マッチ、週末(土日)は各2~3マッチほどこなしますので、1週間で時期にもよりますが、6~8マッチ、大会なども含めると年間で350~400マッチはこなしていることになります。

私がベテラン大会で圧倒的な成果が出てきたのは3年前ほどですので、それまでに1500マッチ以上はこなしていることになりますし、現在までを考えると40歳から再開後2500マッチは下らない数をこなしていると思います。

この小さな積み重ねが、大きな力となり、現在の圧倒的な成果につながっていることは間違いありませんが、ただ、闇雲にマッチ練習をこなせばいいというものでもないということもお伝えしなくてはいけません。それでは次にマッチ練習を行う上でのポイントをお伝えします。

〇「マッチ練習」であって「練習試合(マッチ)」でないこと

〇テーマ(課題意識)をもって臨むこと

〇振り返りや次回の練習の目標設定を行うこと

簡単に説明していきます。

〇「マッチ練習」であって「練習試合(マッチ)」でないこと

言葉遊びのようですが、最も重要なことですので、最初にお伝えします。「マッチ練習」とは、練習の中の一つのメニューとして「マッチ(試合)」が位置付けられているという意味で、「練習試合(マッチ)」とは、「公式戦ではない非公式の試合」という意味で練習メニューというよりも試合そのものを楽しむことして用いられています。

私が考える両者の大きな違いは「本番を想定してある程度の緊張感をもって行うのか、とにかくゲームを楽しむために行うのか」にあります。

例えば本番の大会など真剣勝負の場であれば、楽しく笑って試合をするということは、通常ありえませんし、練習では味わえない緊張感のもとでお互いボールを打ち合っているはずです。

完全に本番の試合と同じ状況で行うことは難しいでしょうが、それに近づけていくことで本当の意味での「マッチ練習」になっていきます。

ポイントを取られて笑っていたり、たまたま入ったスーパーショットで大喜びしていたりする人を見かけますが、それはマッチ練習ではなく単なる練習試合、もっと言えばエンジョイテニスです。

もちろんテニスそのものを楽しんでいる方を否定するつもりは毛頭ありませんし、そこにはスポーツの醍醐味がありますが、強くなるためには練習試合やエンジョイテニスは卒業しなくてはいけないことも事実です。

私は現在マッチ練習であっても本番の試合であってもほとんど同じメンタルレベルで行えるようになり、練習通りに本番でも実力を発揮できるようになりましたが、そうなるために、本当の意味での「マッチ練習」を積み重ねてきました。

本番の試合で負けて悔しい人は多いと思いますが、マッチ練習で負けて本気で悔しがる人がどれくらいいるでしょうか。

私は普段、喜怒哀楽を表情にはあまり出しませんが、根っからの負けず嫌いでマッチ練習であっても負けたり、うまくプレーができなかったりした時は、その悔しさが次の練習まで継続します。そして、その課題を次のマッチ練習で必ず活かしていきます。そのメンタリティこそが今の自分を支えているとも感じています。

〇テーマ(課題意識)をもって臨むこと

次にテーマを持つことの重要性についてお話します。数えきれないほどのマッチ練習をこなしてきたことは前述のとおりですが、それぞれのマッチ練習は時々によってそこでのテーマが異なっていきます。

例えば、試合直前のマッチ練習であれば、「今持っている技術や戦術を駆使して勝ちにいく」ということをメインテーマに行いますし、ある程度試合日程が先にある場合は「特定の課題をマッチ練習で積極的にチャレンジしていく」ということがメインテーマになります。

現在私は次の大会(全日本ベテラン)まで2か月以上時間がありますので、日々のマッチ練習では主に「ポジション」をメインテーマにして取り組んでいます。

もちろんその中でも勝敗にもこだわりながら行っていきますが、ポイントを取った、取られたよりも、今は適正なポジションだったかどうかということに意識の重点をおいて取り組んでいます。

この「テーマを持つ」ということを毎回のマッチ練習で意識することで、飛躍的に練習効果を向上させることができます。

〇振り返りや次回の練習の目標設定を行うこと

上記のとおりテーマをもってマッチ練習を行いますが、そこで終わりにしないことが大切です。勉強でもそうですが、より学習効果を高め、成果を上げるためには「予習」「復習」欠かせません。それはテニスにおいても同様です。

私が振り返りで大切にしていることが「感覚」と「客観性」です。「感覚」は今日の自分のテニス全体の感覚であったり、各ショットの感覚であったり、自分のトライしていたことがうまくできたのか、そうでなかったのかという主観的な部分になります。

もう一つの「客観性」ですが、私はマッチ練習の際にはスマートフォンで自分のプレーを撮影し、帰宅後それを見返すことを習慣にしています。また、それをただ見返すだけでなく、映像を見ながら「データテニス」というアプリを使い、各ポイント入力することで、マッチ全体のスタッツが表示されるようになります。

こうすることで、そのマッチでのサーブの確率、ポイント数、ポイント率、エースやエラーの数などが客観視され、このマッチで何がよくて何が悪かったのかということが、一目瞭然となるわけで、感覚(主観)と実際(客観)とのギャップの擦り合わせを行うこともできます。

この作業を練習から帰宅してすぐの自分の感覚や記憶が鮮明なうちに行いますので、「全体的にもう少し前に入って打たないといけない」「このポイントは弱気になっていたから踏み込めていない」「あまりいい感覚ではなかったけれど、しっかりとラケットが振れている」などとより具体的な振り返りもできています。

そして映像などで自分のプレーをしっかり振り返った後に、テニスノートにその日の反省や課題、成果を記入して次回の練習でのテーマや目標設定を行っていきます。

ベテランになると若いころのようにオンコートで長時間の練習をすることは体力的にきつくなってきますし、ケガのリスクも高まってきます。

また、ある程度技術的にも成熟期に入っていますので、それほど長時間の練習をしなくても、感覚が極端に悪くなる(テニスが下手になる)こともありません。

ただ、体力の低下を補うためによりゲーム全体を俯瞰する能力や幅広い技術、戦術眼などが必要となり、そのためには、オンコート以外での取り組みが重要となってきます。

マッチ練習を「たかがマッチ練習」と捉えるのか「マッチ練習こそが」と捉えるのかでその後の成長が大きく変わってきます。ぜひこれまでの意識を少しでも変えてマッチ練習に取り組んでいただけたらと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。次回もよろしくお願いします!

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