こんにちは。鉄人blogに訪れていただきありがとうございます。今回は鉄人式働き方改革【人間関係編】PRAT5として、仕事を円滑に進めていくにあたって、これもまた重要な必須スキルである「根回し」について話を進めていきます。是非参考にしてください!
大学を卒業後に勤めていた会社の先輩に「仕事は段取りが8割以上だからそこを絶対手を抜いてはだめだよ。」とよくアドバイスをいただきました。右も左も分からなかった、新入社員の時は、ただただ、目の前にある仕事を訳の分からないままに片付けていくという仕事ぶりだったので、その様子を見かねた先輩が気にかけてくれていたのだと思います。
当初は仕事のできる人は「本番に強い人」くらいのイメージしかなく、てきぱき仕事ができるのも、その人の持っている生まれつきの才能程度にしか考えていませんでした。しかし、年齢を重ねるに従って、仕事ができる人は、段取り力が違うことが徐々に分かってきました。それでは「段取り力」とはどのような力なのでしょうか。
具体的な仕事の場面で考えていきたいとも思います。まずは、学校現場ですが、行う段取りは主に授業準備があります。私は保健体育科の教員でしたので、自分の担当種目の年間授業計画を立て、次に各々の種目の授業時数の中で身につけさせたい技能や知識を基に実際の授業内容を決めていきます。後は各時間で行う授業の準備を当日の授業までに行っていくという流れになります。
これは体育の授業のパターンですが、保健の授業も基本的には同じような流れになります。やはり、しっかりと段取りをした授業は自分でも満足のいく授業ができていましたし、授業後に生徒に書いてもらっていた授業アンケートにおいても高い評価を得ることができていました。
逆にそうでない場合、例えば他の担当の教員が体調不良等で急に授業に入ることになった場合は、準備もそこそこにしかできませんので、満足のいく授業はほとんどできませんでした。
次に現在の行政での段取りについてお話します。行政は学校現場に比べると事業に関わる人の数も多くなり、県の幹部職員や外部の有識者などと一緒に仕事するケースがほとんどですので、より細やかな段取り力が求められます。
例えば会議を開催すること一つをとってもかなり細かい部分までの段取りが必要となります。日取り、会場確保は当然として、参加メンバーへの案内、当日の会議の目的や議題の設定、主催者の役割、司会進行、そして会議で得たい結論などを会議が始まるまでに全てお膳立てし、大きな意見の対立や紛糾が絶対起きないように用意周到に準備していきます。
つまり、会議は議論の場ではなく、結論を確認する場という位置づけになります。それではこのような会議運営をするために一番大切なことは何かというとそれは「根回し」です。
これは、政治の世界ではよくあることですが、ある一定の結論を導き出すために会議に出席にする関係者に事前に会議の方向性を確認し、了解を得ておくという手法です。行政も政治の世界ほどではありませんが、これに近いことを行っていきます。
私が行っていた「根回し」は事前に会議の各出席者に連絡して「会議では主にこのような議題について議論していきますが、ご意見はありますか?」ということを事前にお聞きし、その意見を集約したうえで、こちらが導き出したい議論の方向性について再度確認をとって、了解していただきます。
もう少し細かく根回しする場合は、会議の出席者の中で意見を言っていただく方に事前に発言内容を確認し、それを当日使用するシナリオに落とし込み、再度そのシナリオを確認していただくということまで行っていたケースもあります。
ここまで丁寧に根回しをしていると会議で意見が対立し、紛糾することはまずありませんし、粛々と会議が進行し、終了していくことになります。ここまでスムーズな会議運営を毎回行うことは難しいですが、少なくともこちらの導きたい結論に会議の方向性を持っていくことを可能にしていけるのは根回しのなせる業といえます。
このような根回しのスキルは会議の運営だけで活かされるものではありません。他にも職場全体で行う事業や大人数での出張の段取りなどでも必要とされるスキルになります。
事業が大きくなればなるほど、その人の考え方によって違う方向性が導き出されます。ただ、「船頭多くして船山に登る」ではありませんが、どれだけ多様な考えや思いがあったとしても、全員の意見を聞いていれば、方向性が定まらず、事業の本来の目的を達成することが難しくなります。
ただ、人間は「感情の動物」で、私も含め人は基本的に自分が第一です。分かっていても自分の考えや意見を組み入れてくれないと感じると積極的に協力してくれなくなる恐れがありますので、私は前回お話しした職場内の影のキーパーソンにはもちろんのこと、事業に関係する職員には必ず事前に事業の目的や方向性について相談し、意見を伺って、表のキーパーソンである管理職などの決裁者に了解を得た上で、再度そのことを報告に行くということを必ず行うようにしています。
これを行うことで、関係者に事業の趣旨や目的などを理解してもらいやすくなり、スムーズに事業の計画を進めていきやすくなります。私自身が仕事のスキルで若いころと比べ大きく成長したと感じることの一つにこの「根回し」のスキルがあります。これからも様々な事業を展開していく際もこのスキルを存分に活かして仕事をより円滑に進めていきたいと思っています。
まとめ
・仕事は段取りが8割以上である
・仕事の段取りの中で重要なスキルが関係者への根回しのスキルである
・根回しのスキルを向上させるとより早くスムーズに仕事を進められる
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