こんにちは。鉄人blogに訪れていただきありがとうございます。今回は鉄人式働き方改革【人間関係編】PRAT3として、パワハラ上司の対応(考え方)について話を進めていきます。是非参考にしてください!
教員生活の12年間はパワハラの「パ」の字もないほど上司(主に教頭や校長)との人間関係は良好でした。しかし、教育委員会に転任後の数年間は上司の「パワハラ」に悩んでいた時期がありました。残念ながら教育委員会は古い体質が残っていて、昔ほどではないにしろパワハラが学校現場に比べて起きやすい環境にあります。その理由の一つに組織的な構造があると思います。
以前にも少しお話ししましたが、学校現場はほぼフラットな組織である「横社会」です。私が採用された頃の学校には教諭→教頭→校長の3つの階級しかありませんでした。今はもう少し階級が細かくなり、教諭→主幹(指導)教諭→教頭(副校長)→校長となり、校長の経営方針がうまく下に伝わるような組織に変わってきていますが、基本的な構造に大きな変化はなく、学校の実動部隊の中心は教諭(臨時講師含む)や主幹(指導)教諭です。
そのため、いくら校長自身が思い描くような経営方針を掲げてリーダーシップを発揮し、強引に推し進めようとしても実動部隊の理解が得られないとうまくいかない可能性が高くなります。それこそ部下に対して恫喝などのパワハラ行為などを行うとそれこそ総スカンを食らってまともに学校経営ができなくなりますので、校長をはじめとする管理職は一般教員の意見を吸い上げながら理解を得つつ学校経営を行っています。
このような「ボトムアップ」組織である学校現場に対して教育委員会などの行政機関は、多くの民間企業と同じような上司の意志が最大限尊重される「トップダウン」組織であり、上意下達の「縦社会」です。
そのような組織に長くいると自分の思い通りに部下が動くので、自分がとても有能な人間だという感覚に陥る方も少なからずおられます。また、そういう方も教育委員会転任当初は上司からの叱責(恫喝?)にも耐えてこられたはずですので、同じ立場になったら自分も同じようなことができると自然に考えてしまうのだと思います。
私が大学生の頃、1回生は奴隷、2回生は平民、3回生は殿様、4回生は天皇、OBは神様などとよく言ったものでしたが、そのような昔の体育会部活動気質が残存している組織が教育委員会でした。
さて、話を戻しますが、そのような組織に長くいる上司の中には、パワハラ気質をお持ちの方がおられました。おそらくご本人は意識されていないと思いますが、ハラスメントやいじめは受け取り手の感じ方で「ありがたい愛の鞭」にもなりますし「精神的苦痛」にもなります。
私が「精神的苦痛」だと感じた上司の行為は、人前での恫喝、存在無視、不公平な業務分担などでした。さて、そのような行為をされたとき、その上司に対して「闘う」のか「逃げる」のかどちらが正しいのでしょうか。
心理学用語で「闘争・逃走反応」というものがあります。これは、心理学者のキァノン,W.B.が提唱したストレス理論のひとつで自律神経系のうち交感神経系の興奮によって生じる反応のことで、恐怖などを感じる危機的な状況に直面した時に、自身に逃げるか戦うかを迫る神経反応のことをいいます。
これは人類が種族保存のためにDNAレベルに埋め込まれた反応で、最古の昔は、この反応のお陰でライオンやクマに遭遇しても心拍数や血圧が上昇し、とっさに闘うか逃げるかの「火事場のバカ力」が発揮され生き延びてこられたと言っても過言ではありません。
現在は日常でライオンやクマに襲われることはまずありませんが、同じように「闘争・逃走反応」が起きていると言われています。その一つに上司からの叱責や恫喝です。私も経験がありますが、このようなことをされると一瞬で血圧が上昇し、アドレナリンが湧き出てくるのを感じました。
簡単に言うと頭に血が上ってくる状態になります。ここまでくると「闘争・逃走」の準備が整いました。さあパワハラ上司に対して「闘争」を選びますか?それとも「逃走」を選びますか?この際の私なりの解答をさせていただきたいと思います。それは「逃走」です。こういう人間とは絶対に闘ってはいけません。
具体的に闘うとはどういうことを指すのでしょうか。その場で上司に殴りかかるなどの暴力的なことをする人はいないと思いますが、感情的になって上司に反論したり露骨に歯向かうような態度をしたりすることです。こういうことをしてしまうと、その場ではある程度すっきりするかもしれませんが、その後の仕事が非常にやりにくくなります。
例えば、書類一つ外部に発出するにも上司の決裁が必要ですので、そういう上司であれば、簡単にハンコ(決裁印)を押してくれなくなるでしょう。また、上司が行う人事評価も間違いなく最低評価になる可能性が高くなります。
現場時代、ことあるごとに校長に立てついていたある教員が、自宅から数キロの場所の勤務先から40キロ以上も離れた学校に異動させられたということがありました。その校長は県教委とも非常につながりもある力のある校長でしたので、自らの力を誇示したような強権的な人事でしたが、こういうことも起こるという事例の一つです。
さて、話を戻しますが、その場では、闘わずして逃げることになった場合、そのまま泣き寝入りするしかないのでしょうか。その後の対応として2つ方法があると考えます。
一つは上司にされたパワハラ行為を事細かに記録し、上司の上司や、外部のパワハラ相談機関に報告・相談するという方法があります。もう一つは、上司との心理的な距離を取り、職務上やむを得ない場合を除いてかかわりを断つという方法です。
私の場合は後者を取りました。その理由は、事細かに報告するためには、それに多大な時間を取られ、自分の時間を奪われます。自分の大切な時間は自分の好きなことや大切な人のために使いたいと思ったからでした。
これは個人の考え方によりますので、絶対に正解であるとは言えませんが、私はこの方法で、仕事上も大きな支障もなく、プライベートも充実させていくことができました。ただ、本当に心身を病むほどのパワハラを受け続けている場合は、そんなことも言っていられないと思いますので、状況に応じて外部機関等に相談し、解決を図っていくことも大切ですので、そのことは常に頭の片隅に置いておくようにしましょう。
まとめ
・職場の中には一定数パワハラ気質の上司が存在していることを理解しておく
・パワハラ上司とその場で闘ってはいけない。ぐっとこらえて退散しよう
・パワハラへ上司への対応は、状況に応じて外部への報告、心理的な距離をとることなどを考える
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