こんにちは。鉄人blogに訪れていただきありがとうございます。10月7日(月)~12日(土)の日程(初日の7日は雨天のため中止)で、福岡県で開催された第86回全日本ベテランテニス選手権大会に出場してきました。
今大会は言わずもがなですが、私を含め、すべてのベテラン選手が目標とするベテランテニス界最高峰の大会です。過去2年間は、その厚い壁に阻まれ、頂に到達できませんでしたが、今年こそ、練習の成果を最大限に発揮し、優勝することを目指していました。
ただ、今年の45歳は、決勝で対戦した全日本ベテラン2連覇中の弓田選手をはじめ、昨年40歳の部で優勝した向選手、全日本ベテラン優勝経験のある細川選手、山岸選手そして今年毎日オープンで弓田選手に勝っている元フィリピンデ杯代表のローランド選手などが出場するなど、例年以上の超ハイレベルな闘いでした。
結果
※日本テニス協会のHPにおいても氏名・結果等が公表されていますので、本ブログにおいてもお名前を掲載させていただきます。
1 回 戦 6-1 6-0 小野塚 英一(ROFT)
2 回 戦 6-2 6-3 ⼊江 正和(ルーセントテニスクラブ⼋尾)
準々決勝 6-0 6-1 ⾼橋 広⾏(ARROWS.T.S)
準 決 勝 6-0 6-2 細川 敬介 (ブライトテニスセンター)
決 勝 3-6 6-1 6-3 ⼸⽥ 悟(三井住友海上)
※初優勝
結果は3度目の出場で悲願の初優勝を飾ることができました。決勝戦以外は全てストレート勝ちでしたが、スコア以上に接戦が多く、全日本ベテラン選手権という他の大会とは違う独特の緊張感が醸し出す、異様な雰囲気にのまれ中々自分のリズムがつかめず苦労した試合が多かったという印象です。
1回戦から決勝までプレースタイルの違う選手と対戦しましたが、自分なりに考えていた戦術を駆使して試合を進めました。それではそれぞれの試合を振り返っていきたいと思います。
1 回 戦 6-1 6-0 小野塚 英一(ROFT)
プレースタイル(事前情報含む):
・サウスポーのストロークプレーヤー
・ビッグショットはないが、安定したストロークを持っている
・バックハンドのショートクロスが得意
戦 術:
①リズムを掴むまでしっかりストロークをセンター中心に配球する
②ボールにしっかり力を加えてストロークで圧を加えていく
③リズムが掴めてきたら左右に振っていき、積極的に攻撃を仕掛けていく
④高確率でファーストサーブを入れていく
戦 況:
初対戦でしたが、以前に相手選手の試合の様子を少し見たことがあり、プレースタイルも頭に入っていましたので、ある程度、試合展開を事前に想定しながら試合を進めることができました。
私のサービスゲームから始まった第1ゲームは2本連続のダブルフォルトから始まりました。私は比較的サービスは得意としていますし、ダブルフォルトもほとんどしないのですが、この日は全日本ベテランの初日ということで、自分が思っている以上に緊張感があったのだと思います。
その後、ブレークポイントを握られながらもキープし1-0となったことで、落ち着きを取り戻すことができました。第2ゲームはキープされ、1-1となりましたが、第3ゲームのサービスゲームからは、自分らしいプレーを随所に出せるようになり、そこから5ゲーム連取し、1セットを6-1で先取しました。
第2セットも、第1セットまでのリズムを継続し、より早いテンポのストロークで相手選手を圧倒し、6-0で取って6-1,6-0で勝利しました。
気 づ き:
①試合慣れしている自分にとっても全日本ベテランの初戦は非常に緊張感があった
②ゲーム序盤から圧倒する展開を取ることは難しいので、ある程度の我慢が必要である
③序盤の4ゲームを2-2で折り返せば、中盤以降は圧倒できる可能性が高い
④ストロークのリズムが良くなればどんどんネットに出ていく
序盤こそもたついた感がありましたが、リズムを掴んでからは自分のテニスをやり切ることができました。ショット全体の調子も悪くなく、いいスタートが切れたと感じられる1回戦でした。
2 回 戦 6-2 6-3 ⼊江 正和(ルーセントテニスクラブ⼋尾)
プレースタイル(事前情報含む):
・安定型のストロークプレーヤー
・フォアもバックもループ気味で配球してくる
・フットワークがよく、粘り強いプレーが身上
・サーブは安定感があるが、力強さがない
戦 術:
①序盤はリズムを掴むまで丁寧にストロークを展開する
②後ろから無理にエースを取りにいかず、左右にしっかり振っていく
③長いラリーに付き合わず、チャンスがあればどんどんネットに出る
④相手のセカンドサーブを攻撃していく
戦 況:
2回戦の相手選手とは今年の1月に行われたITFの大会の決勝で初めて対戦しており、その時は6-0、6-1で快勝していました。
安定したストローク技術を持っていますが、ボールスピードもそれほどなく、しっかり構えて打ち込めた印象があり、やりにくさはありませんでした。
また、相手選手は前日に4時間を超えるファイナルマッチをこなしており、体力的にも分があると感じていました。
私のサービスゲームから始まった第1ゲームは2本連続のストロークエースで30-0となりましたが、そこから4本連続で取られ、ブレークされると第2ゲームもブレークポイントを握りながら取り切れずキープされ、0-2と第1セット序盤は先手を取られる苦しい展開となりました。
この2ゲームは自分のリズムを作るためある程度ベースライン後方で打ち合っていましたが、相手のストロークミスが少なく、上手くペースがつまめませんでしたので、3ゲーム目以降はテンポアップして、積極的にネットプレーにトライすることにしました。
第3ゲームの自身のサービスゲームは、多くのポイントをネットプレーで取って、簡単にキープすると、第4ゲームもその流れでブレークし、2-2となりました。
これまでも序盤の4ゲームを2-2で折り返せると、中盤から後半にかけて引き離せる展開を多く作れていたので、このまま一気に行こうと考えていました。
案の定、そのあとのゲームはほぼ一方的な展開で4ゲームを連取し、6-2で第1セットを取りました。第1セットの序盤でもたつきましたので、第2セットは序盤から先行していこうと考えていましたが、中々うまくいきませんでした。
第1セットと同じような展開で、最初の2ゲームを取られ、第2セットも0-2となりました。理由は、セットチェンジでニューボールとなったため、相手のボールが深くなり、上手く前に入れず、相手の得意の形である長いラリーを強いられたからでした。
それと今日の相手選手は、第2セットに入ってからは簡単にミスをしてくれないだけでなく、こちらのボールが短くなると、どんどん攻撃を仕掛けて来るようになりました。
第1セットの0-2の時よりも苦しい序盤の展開となってしまいましたが、私もストロークのギアをもう一段上げて、相手選手を先に左右に振ってネットに出るなど、より攻撃的なプレーを展開し、2ゲームを連取し、2-2となりました。
第2セットも第1セットと同じ展開で2-2となりましたが、第1セットのようにそこから一気に突き放す展開とはならず、第5ゲーム~第7ゲームにかけて一進一退の攻防となりました。
私はできるだけ前に入ってネットに出たい、相手選手はムーンボールを多用し、私をベースラインにくぎ付けにしてできるだけ長いラリーをしたい、それぞれが自分のやりたいプレーを徹底し、白熱したゲーム展開になっていきました。
長いラリー戦も多くあり、ほんの少しの差でその3ゲームを連取し、5-2となり、マッチゲームとはなりましたが、余裕はそれほどありませんでした。その理由は2つありました。
1つ目は、ゲームは先行していたものの、第1セット後半のような自分のリズムでポイントを取れていなかったこと。そしてもう一つは体力の消耗からくる痙攣でした。
特に痙攣の兆候は第2セットの第7ゲームくらいから来ていて、内心「非常にマズいな」と感じていました。ただ、何とか踏ん張ってキープし、5-2となり、勝利まであと1ゲームとなりました。
今から考えると第7ゲームをブレークされ、4-3になっていれば最後までプレーできずに、途中棄権をしていたかもしれません。
リードで迎えた相手サーブの第8ゲームは、無理してボールを追わず、5-3となりました。第9ゲームの自身のサービスゲームで最後の力を振り絞り、40-15とマッチポイントを迎えました。しかし、足全体の痙攣がすぐそこまで来ていました。
最後のポイントも非常に長いラリーになり、ついに痙攣が足全体に来てしまいました。もうこれ以上ラリーはできないと、苦し紛れのドロップショットを打ちましたが、完全に甘く中途半端なショットになってしまいました。
相手選手は余裕をもって追いつき、動くことのできない私を見て、ネット前に軽く落とそうとしたのですが、あろうことが、そのボールがネットを超えませんでした。その瞬間私の勝利が決まりましたが、同時に完全に両足が痙攣し、その場から動けなくなりました。
本当に薄氷を踏む思いでした。実は昨年の全日本ベテランの2試合目(2回戦からのためラウンドは準々決勝)もファイナルセット序盤で同じような状態になり、過去に2連勝していた相手に負けていました。
その時と同じ状況が1年後も起こってしまいましたが、今回は幸運にも、試合には勝つことができました。その時は、「テニスの神様からもう一度チャンスをいただいた。このチャンスを絶対に生かそう」という心境でした。
気 づ き:
①長いラリーをしたい相手には、できるだけ早いテンポでラリーをしてネットで勝負する
②相手のムーンボールに対して、後ろに下がりすぎず、前に入ってライジング気味に打つ
③同じリズムでラリーせずに、スライスやドロップショットを織り交ぜる
④長い試合が想定されるときは、痙攣対策をよりしっかり行う
薄氷を踏む思いで2回戦を突破し、準々決勝に進みました。準々決勝の相手は、順当であれば、今だにベテランJOP大会で無敗を継続中のフィリピンの元デ杯代表であるローランド・ルエル選手でしたが、そのローランド選手を6-3,6-4のストレートで下した高橋選手でした。
高橋選手は私も過去に1セットを取られている強敵で、今大会の優勝候補の一人であるローランド選手に勝っていて勢いもありました。
一筋縄ではいかない相手でしたが、2回戦での反省も生かしつつ、しっかりと対策を立てて臨みました。
少し長くなってきましたので、続きはPART2でお話しします。最後までご覧いただきありがとうございました。次回もよろしくお願いします!
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