こんにちは。鉄人blogに訪れていただきありがとうございます。大会レビュー編もPRAT4ということで、最終回となりますが、今回はリッコネン選手との準決勝についてのレビューに加え、今大会で得た成果や今後の課題についても触れていきたいと思います。

1 リッコネン選手の特徴やプレースタイル

前回のブログでも触れましたがが、自身の準々決勝終了後にリッコネン選手の試合をじっくり観戦しましたので、まずはその時の印象を詳しくお話していきます。

リッコネン選手は現在47歳のフィンランド人選手で大会開催時点での世界ランキング(45歳以上)13位の選手です。ヨーロッパ人らしい体格でおおよそ190cm80kgの大柄な選手です。

この体格から当初私が想像していた彼のプレースタイルは「ドッカンサーブ、ドッカンストローク」でしたが、実際はサーブこそ高い打点から強烈なボールを打ち込んでいましたが、ストロークはフォア、バックともにスピードはそれほどでもなく、プレースメントを重視したスタイルでした。

正直なところ、見かけではランキングほどの強さは感じませんでしたし、むしろほかの日本人選手のほうがクオリティの高いボールを打っているようにさえ思いました。しかし、実際の試合になると本当にミスが少なく、簡単にはポイントを与えず、相手がしびれを切らしてネットに出てくると高精度のパスで何度もポイントを奪っていました。

それにストロークのスピードがそれほどない分しっかりとスピンのきいたボールを打ち続けており、本大会の遅くて跳ねるハードコートでは非常に有効でした。さらに、球際の強さやドロップショットやネットプレーの巧みさなど、すべてのショットが高いレベルで穴が本当に少ない選手でした。

2 戦略を考える

彼の試合は2試合ほど観戦しましたが、準々決勝の細川選手との対戦をじっくりと見ることができましたので、そこで次戦(準決勝)に向けての戦略を立てました。勝つための戦略を立てていくうえで、必要なポイントを以下の4点にまとめました。

  • 得点パターン
  • 失点パターン
  • 取るべき戦略
  • 具体的な戦術
  • 得点パターン

・サービスポイント(主にファーストサーブ)

・バックのスライスで相手のミスを誘う

・フォアハンドの中ロブで、相手をコートの後方に追いやり、浅くなったところをアタックしてネットプレー

・ドロップショット

  • 失点パターン

・左右に先に振られてのミス

・ストロークやボレーのウイナー

  • 取るべき戦略

・先に攻撃を仕掛けていく

・アンフォーストエラー減らしていく

・長いラリーを想定し、我慢強くプレーする

  • 具体的な戦術

・ファーストサーブの確率を上げて、3本目攻撃をしていく

・相手のスピンボールに対して下がりすぎないように前でとらえていく

・先に左右に振っていき、ネットプレーにトライする

・相手のバックのスライスに対して引っかけないように、しっかり膝を落として深く返球する

・長期戦になることを見通して体力的に十分な状態で試合に臨む

戦術を考えるうえで大切なことは、とにかく相手の土俵ではなく、自分の土俵で試合をすること、つまりポイントを取っても取られても自分のやりたいテニスで試合を進めていくことになりますので、そこを第一に考えていました。

3 戦況

上記の戦略・戦術をもって当日の試合を迎えました。準決勝までが比較的いい勝ち上がりでしたので、体力的にも十分な状態で臨むことができました。それでさっそく試合を振り返っていきたいと思います。

第1セット

私のサービスからスタートしたファーストゲームは、比較的落ち着いた立ち上がりの中、キープし1-0。第2ゲームは相手選手のサーブが決まって1-1、第3ゲームもいいサーブとネットプレーが決まりキープし、2-1。そして第4ゲームは珍しく相手選手のストロークミスやダブルフォルトもあってブレークに成功し、3-1となりました。

ブレークした後の大切な第5ゲーム目は、少し堅くなったこともあり、ミスが出ましたが、何とかキープして、4-1となりました。ここまでは理想的なゲーム展開で、実際に対峙していて思ったほどの圧力も感じることなく、このままのペースでいけば、十分に勝機はあると感じながら試合を進めていました。

しかし、ここから流れが変わってしまいます。第6ゲームをキープされると、第7ゲームではポイントをリードされ、ブレークポイントを握られ、何とかデュースに持ち込むものの、アンラッキーなネットインや相手のパッシングショットもあり、ブレークされ、4-3となりました。この2ゲームで完全に流れを戻され、そこからは一進一退のゲーム展開となり、お互いのキープが第10ゲームまで続きました。

5-5となった第11ゲームの私のサービスゲームで40-15とゲームポイントを握りましたが、連続でミスが出て、デュースになると最後は相手にパッシングショットを決められブレークされ5-6となり、第12ゲームも0-30とポイントを先行しましたが、いいサーブを入れられて、キープを許し、5-7でファーストセットを落としました。

第2セット

1セットの後半から相手ペースで試合が進んでいたことや次第に相手のスピンボールを抑えられなくなってアウトミスも多くなってきていたことから、新しいラケットを交換し、リフレッシュして臨むことにしました。

私のサーブから始まった第1ゲームは簡単にキープし、1-0となり、第2ゲームの相手のサービスゲームもブレークポイントを握りました。ここでブレークができていれば、セカンドセットもまたファーストセットの序盤のような流れで行けるような気がしていましたが、それを取り切れず1-1となると第3ゲームで相手の驚異的なショットもありブレークされ、1-2となりました。

ここからは完全に相手の流れとなり、第4ゲームを簡単にキープされ、1-3となると第5ゲームもポイントを先行され、ブレークポイントを握られました。ここでブレークされて、2ブレークダウンの1-4となるとほぼゲームセットになっていたと思いますが、何とか踏ん張ってキープし2-3となりました。

この頑張りが功を奏したのか第6ゲームではラッキーなポイントもありながら、ブレークに成功し、3-3となり、第7ゲームもブレークポイントを握られるもキープし4-3とゲームカウントとしては逆転しました。

いい流れとなった第8ゲームも30-40とブレークポイントを握り、あと一本のところでしたが、キープされ、4-4となるとその後は第12ゲーム目までお互いキープが続き、タイブレークに突入しました。

タイブレークも前半はお互いのサーブのミニブレークなどもあり、競り合った展開でしたが、3-4からの私のサーブの2ポイントを相手選手の驚異的な粘りでブレークされ、3-6となりトリプルマッチポイントを握られました。ただ、私も開き直って相手サーブを2本ブレークし、5-6までせまりましたが、次の自身のサービスポイントを落として5-7,6-7(5)で敗退しました。

4 成果と課題

成果

・自分のサービスやストロークで先に攻撃を仕掛けていくことができた

・ある程度戦術通りに試合を進めることができた

・3時間近い試合であったものの、体力的には問題なく、仮にファイナルセットに入ったとしても十分にプレーができたこと

・流れが悪い時も最後まであきらめずプレーし、逆転の糸口をつかめた

課題

・相手の深くて重たいスピンボールに対して前に入って打ち切ることができなかった

・相手の粘りに対して先にミスをしてしまうことが多かった

・ウイニングショット(ボレーやスマッシュ)の精度が足りなかった

・相手のストロークに付き合ってしまう展開が多く、もっと攻撃的にいくべきだった

5 大会全体を振り返って

PRAT1でお話しした通り、大会出場を最後まで悩んでいましたが、出場し、ベスト4まで勝ち残れたこと、成果や課題も含め得るものが非常に大きな大会であったことなど出場して本当に良かったと感じています。

今でも準決勝のことを考えると悔しさがこみ上げてきますが、最後まで全力を尽くせたこと、何より練習で取り組んできたことをある程度試合の中で表現できたことなど満足感のほうが勝っていた気がします。

また、同年代で切磋琢磨している選手の仲間と交流し、刺激をもらったこと、今後のことについて意見交換できたこと大変有意義な時間が過ごせたと感じています。

次の大会は、来月初旬から始まる関西オープン(ベテラン)を合わせて、一般の国体予選にも出場することになっていて、現在もそれらに向けて練習やトレーニングを積み重ねています。

関西オープンは記念すべき100回大会での3連覇を目指していますし、国体予選はそれ自体出場するのが、何と22年前の25歳の時以来で、これも自分自身にとって大きなチャレンジと捉えています。

この年になっても年齢別はもちろんのこと、一般大会でもチャレンジできる心身の状態に感謝しつつ、この2大会は今年前半の大きな大会となりますので、準備も含め、センコーカップと同様に全力を出し切り、素晴らしい大会にしたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。次回もよろしくお願いします!

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