こんにちは。鉄人blogに訪れていただきありがとうございます。今回も前回に引き続き、大会レビュー編をお届けしますが、今回お話しする準々決勝はここ最近の自分自身の試合の中では上位に入るほどのナイスゲームだったと感じています。
詳しくは本編で述べますが、前半から中盤は相手のペースで進みながら後半に流れをつかんで一気にゲームをクローズできた、そんな試合でした。それでは早速試合を振り返ってみたいと思いますが、今回の振り返りでは、試合を序盤(1~4ゲーム)、中盤(5~8ゲーム)、終盤(9~12ゲーム)に分けて、戦況とともにその時どのように考えてプレーしていたかを詳しくお伝えします。
〇準々決勝:7-5
対戦相手:塩谷 大河(愛知)
特 徴:
ストロークプレーヤー
・浦和学院高校、亜細亜大学出身の25歳の若い選手
・フォアハンドは厚い当たりでベースライン付近からでもエースが取れる爆発力がある
・バックハンドはフォアハンドほど威力はないが、タイミングを合わせてうまく打ってくる
・サーブはスピンサーブが中心でそれほどスピードや威力はない
・ガッツがあり、ファイティングスピリットを前面に出してプレーしてくる
序盤【1~4ゲーム】
〇戦況
トスで勝った相手がリターンを選択し、サービスから始まった。第1ゲームから予想通りのストローク戦となり、デュースはあったものの、キープして1-0。第2ゲームは相手のいいストロークもあり、キープされ1-1、第3、第4ゲームも同じような流れでキープし、2-2となった。
〇戦術(技術面)
・序盤は相手とのストロークの力関係を確認するためにクロス中心にラリーを組み立てた
・自分のリズムでラリーをするために少しのテンポを落として長くラリーするようにした
・サービスである程度押し込んでいけるように、ファーストサーブをしっかり打っていった
・リターンゲームでは、ベースラインの少し後ろに構えて、ミスをしないことを第一に考えた
〇感じていたこと(メンタル面)
・序盤の戦い方は想定内で上手くゲームが運べている
・相手のストローク(特にフォアハンド)に力がある
・自分のサービスゲームはキープしつつ、チャンスがあればブレークしたいが我慢が必要
中盤【5~8ゲーム】
〇戦況
第5ゲームのサービスゲームも最初の2ポイントはいい形で30-0となったが、その後の2ポイントが少しアンラッキーな形で30-30となり、自身のミスと相手のナイスショットでブレークされ、2-3となった。第6ゲームは完全に相手の流れの中で、鋭いショットが次々と入り、簡単にキープされ、2-4となった。このあたりから相手選手の勢いが増し、ショット中やポイント後の声がさらに大きくなっていった。(その後あまりにも声が大きいことから審判から警告を受けていた)第7ゲームも相手の勢いに押され、常にビハインドの状態が続いていたが、何とかキープし3-4となった。何とかブレークしたい第8ゲームも取り切れず3-5となり後がなくなった。
〇戦術(技術面)
・中盤に入り、リズムも掴めてきたので、少しずつ早いテンポで攻撃するようにした
・フォアに比べバックに勢いがなかったので、バックのクロスラリーで勝負していくようにした
・回り込まれて逆クロスに打たれた時は早めにバックのダウンザラインでペースを変えるようにした
・サービスのリズムもよかったので、しっかりサーブを入れてストローク戦で優位に立てるようにした
・リターンゲームではセカンドサーブにプレッシャーをかけるために少し中に入ってリターンをした
・ストロークで振られても簡単にエースを取られないように1本でも多く返球するようにした
〇感じていたこと(メンタル面)
・フォアの勢いが増してきたので、相手に気持ちよく打たせないようにリズムを変えよう
・ブレークされたのは相手のプレーがよかったので仕方ないので我慢強くついていこう
・エースを取られても、声を出されても何もなかったように平常心でプレーしよう
・相手のサービスゲームでも少しずつチャンスがでてきたのでいつかブレークできるはず
・どんな形でもいいので、ポイントを拾っていこう
終盤【9~12ゲーム】
〇戦況
後がない第9ゲームのサービスゲームは1stサーブからの3本目攻撃がうまく嵌り、いい形でキープができ、4-5となった。サービングフォーザマッチとなった第10ゲームの相手のサービスゲームでは、相手のミスにうまく付け込むことができ、この試合で始めてブレークし5-5となった。第11ゲームの自身のサービスゲームでは前のゲームでブレークした勢いそのままに、いいショットが続いてキープすると、第12ゲームの相手のサービスゲームでも流れを渡さず15-40の最初のマッチポイントで取り切り7-5で勝利した。
〇戦術(技術面)
・サービスゲームは今まで通りサーブをしっかり入れて、ストロークで主導権を握っていくようにした
・相手のボールが少しずつ浅くなってきていたので、コートの中に入って早いテンポで攻撃した
・リターンゲームではファーストサーブからコートの中に入って強いリターンを返していくようにした
・ストローク戦では相手のミス待ちではなく攻撃的なショットを選択し、圧力をかけていくようにした
・ストロークで振られても簡単にエースを取られないように1本でも多く返球するようにした
〇感じていたこと(メンタル面)
・後がないゲームであったが、第9ゲームをキープすれば、相手の勝ちビビりもあってチャンスがくる
・相手のサーブに勢いがなくなっていたので、ファーストサーブからプレッシャーをかけていこう
・競り合いになれば、経験がある分こちらが優位になる
・第12ゲームは完全にこちらの流れになったので、ペース落とさず一気に畳みかけよう
・1球1球とにかくしっかり打っていこう
・このままのいい流れでプレーできれば試合を終わらせられる
〇試合全体を振りかえって
序盤はほぼ互角、中盤は完全に相手にペースを握られ、相手の勝利まであと1ゲームと迫られましたが、その時も不思議と非常に落ち着いてプレーできて終盤の逆転勝ちに繋げることができました。
冒頭でも申し上げた通り、ここ最近では私自身のベストマッチではないかと思っています。その理由は、勝つためのゲーム全体のマネジメントが非常にうまくいったこと、現在取り組んでいる攻撃的なテニスと従来からの自身の強みである最後まであきらめないメンタルの強さがうまくかみ合ったことなどからです。
私が考える理想のゲームマネジメントについては、序盤はある程度互角のゲーム展開を想定しつつ、自分のリズムを作っていく、中盤はリズムやテンポを変えてゲームを動かしていく、そして終盤は自分のペースで試合運びを行い、一気に突き放して勝負を決める。まさしくこの通りのゲーム展開でした。
また、試合内容についても競り合いになった時も相手のミス待ちでポイントを拾っていくのではなく、あくまでも攻撃的にプレーして相手にミスをさせていくテニスができたこと、最後はメンタル勝負に持っていき、完全に相手を上回っていたことが非常にうまくできた試合でした。
通常であれば、現在46歳という年齢だけを見た場合、このような全国大会で20代の若い選手に勝つことはもちろんのこと同じ土俵で勝負することも至難の業ですが、純粋な体力の部分では劣っていても、技術や経験、メンタルなどの総合力で勝負できるところがテニスの面白さでありますし、実際にこのように勝ち切れたことが自信に繋がり、まだまだ若い選手と勝負ができると思わせてくれました。
劣勢からの逆転勝ちで準決勝に進み、準決勝では昨年まで関西の強豪大学に所属していたさらに若い選手との試合となりました。この試合も序盤から中盤にかけてかなりの劣勢でしたが、終盤で逆転するチャンスもあった試合でした。その試合については次回お話しします。
最後までご覧いただきありがとうございました。次回もよろしくお願いします!
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