こんにちは。鉄人blogに訪れていただきありがとうございます。前回のブログでも報告させていただきましたが、今月初旬に行われた関西オープンで無事2年連続の優勝を果たすことができました。この優勝に対してたくさんの方からお祝いのお言葉をいただき、とても励みになったと同時にひしひしと喜びを感じているところです。
ただ、大会が終了した週末からは、早速練習とトレーニングを再開し、次の大会に向けて動き出しています。優勝してもそうでなくても、自分の中では過去の大会として位置づけ、次に向けて歩みを進めることがとても大切だと思っています。また、その大会で得られた成果と課題は、きちんと心に刻んで、取り組んでいくことも同じくらい大切にしています。
私は今年の11月で46歳になり、テニスを始めてから37年目になりますが、私のテニス人生の中でこの1年が最も充実していると感じています。それは単に大会で勝てるようになったということではなく、「テニスという競技を通して目標に向かって自分自身と日々向き合えていること」に自身の成長を感じられているからだと思います。
私が現在最大の目標として取り組んでいる大会は全日本ベテランテニス大会ですが、その全日本ベテランで昨年度は本当に悔しい思いをしました。今回は少し個人的な話にもなりますが、「全日本ベテランに向けての思い」についてお話をさせていただきますので、最後までお付き合いいただけると幸いです。
1 昨年度の全日本ベテランまで
一昨年度(令和3年度)までは、35歳の部でチャレンジしていましたが、昨年度の3月に開催された山陽オープンから40歳以上で出場することにしました。実は令和元年には40歳以上の部でJOP大会にも数試合出場していたのですが、全日本ベテランが仕事の都合で参加できない状況であったため、次の年から自分のテニスを高めるためよりハイレベルな35歳以上の部で出場していました。令和4年度に職場の異動があり、10月の全日本ベテランに出場できる状況になったので、この年度から全日本ベテランを目指して40歳以上の部に戻して出場するようになりました。
2 全日本ベテランまでの各種大会について
全日本ベテランに向けて出場した3月の山陽オープン(Dグレード)5月の関西ハードコート選手権(Dグレード)、6月の関西オープン(Bグレード)で、幸い3大会すべてで優勝し、8月発表の日本ランキングでは念願の1位となることができました。その間にも7月に行われた全日本選手権(一般)の兵庫県予選においても決勝まで進み、自分より二回り以上若い選手に勝利まであと1ポイントのところまで迫るなど、自分のテニスの進化を感じられる期間となっており、自信を持って全日本ベテランに向かうことができていました。
3 「今この瞬間」に集中することができなかった全日本ベテラン
10月の大会に向けても順調に調整ができており、自信を持って名古屋に入りました。唯一の不安要素だったのは、私の初戦の相手が過去に全日本ベテランでも優勝したこともある実績も実力もある選手でした。その選手は予選から出場し、勝ち上がってきたのですが、私の初戦のドローに入る確率は6分の1でした。確率的には高くなかったのですが、「もしかしたら入ってくるのではないか」という嫌な予感が的中し、私の初戦(2回戦)で対戦することになりました。大会初日(1回戦)に会場の下見も兼ねてその選手のプレーも見学し、ある程度の対策も立てて次の日の試合に臨みました。
翌日、しっかりとした準備を行ってコートに入りましたが、試合開始直後からリズムが悪く相手選手の素晴らしいショットに対して後手後手に回っていました。元々立ち上がりに課題があり、いつもであれば、そこから巻き返していけるのですが、その日に限っては流れを変えることができず、1セットは1-6で落とし、2セットは一時、4-2とリードしましたが結局逆転され5-7で取られ負けました。
今思っても、この時の自分は、「今この瞬間」のプレーに対する集中力を明らかに欠いていました。いつもはあまり考えない「このゲームを落としたら厳しいな」とか「どうして入らないんだろう」とか、試合の後半には「ここで負けたらホテルをキャンセルしないといけないな」などと考えてしまう精神状態でした。そのような精神状態でいいプレーができるはずもなく、負けるべくして負けた試合でした。
4 敗戦から感じたこと
優勝を目指していた大会でまさかの初戦敗退は自分としてはかなりショッキングであったことは間違いないことなのですが、それ以上に「やり切った感」がなく試合を終えての充実感、満足感がなかったことがさらにショッキングでした。試合を見ていたある選手から「いつものプレーと違ってボールも飛んでいなかったし、覇気がなかったね」と言われました。
理由として、まずは相手選手のプレーが本当に素晴らしく、その試合においては完全に自分を上回っていたことが一番であることは間違いないですが、それを跳ね返す体力、技術、メンタルすべてが足りなかったのも負けた大きな要因であると思います。
体力的な部分に関しては1セット終了後から両足が軽く痙攣をおこし始めていました。普段とは違う緊張感の中で試合を行っているとはいえ、1セット終えただけで痙攣を起こすようでは、体力的に課題があると言わざるを得ない状態でした。
また、技術的には、流れが悪い時に技術的な引き出しが少なく流れを変えていくプレーがほとんどできず最後まで相手のペースで試合を進められ、ゲーム全体を通して全くコントロールできませんでした。
メンタルについては、前述のとおり、「今この瞬間」の集中力がなく、終わってしまった過去(失ったポイント)の後悔やまだ起こっていない未来(負けてしまうかもしれないこと)についての不安を払しょくできない状態で、メンタル面の弱さを露呈してしまいました。
5 早々と大会を去ることになった時の心境について
試合が終わった後、家族や職場への結果報告、ホテルへのキャンセル連絡などを済ませて、80歳以上の部で出場していた父親の応援を終え、ホテルに戻りました。ホテルに戻ってからは、今日の試合のことを冷静に振り返っていこうとしましたが、感情が先走り全く落ち着いて考えることができませんでした。
8月発表の日本ランキングで初めて1位となり、そのことが神戸新聞で掲載され、全日本ベテランに向けて職場やテニス仲間を含めたくさんの方に応援していただいたこと、家族が週末に名古屋に応援に来てくれることになっていたこと、明日には名古屋を去らないといけないこと、試合に勝てなかった悔しさ、自分に対する不甲斐なさ、応援していただいていた方への申し訳なさなど、いろんな感情が駆け巡り、涙が止まらなくなりました。
この時の感情は悔しさを通り越して悲壮感や絶望感に近いものでした。その日の夜はほとんど眠ることができず翌朝を迎えました。神戸に帰ってからの数日間、テニスコートには行くものの練習に対するモティベーションが全く上がらず、何か抜け殻のような状態でした。
大好きなテニスがここまで楽しく感じられなかったのは、40歳から本格的にテニスを再開して初めてのことでした。人生最大の目標として取り組んでいた大会で不甲斐ない結果に終わり、軽いバーンアウトに陥っていたのだと思います。正直、一度テニスと距離を置こうとまで考えました。
このようなどん底状態の自分でしたが、あることがきっかけでモティベーションを取り戻し、再び前に進むことができるようになりました。それは、ライバルであり、友人でもある同じベテランテニス界で活躍するある選手の言葉でした。
続きはPART2でお話しします。最後までご覧いただきありがとうございました。次回もよろしくお願いします!
※ブログの感想やご意見ご質問などを下記のコメント欄にいただけると嬉しいです。多少お時間をいただく場合はありますが、必ず返信させていただきます。
テニス人気ブログランキングに参加中です。よろしければワンクリックをお願いします!
テニスランキング